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[O02-P13] 岩手県の三陸地方に被害をもたらした明治・昭和・平成の大津波
キーワード:岩手県の三陸地方、 2011年・1933年・1896年の三陸地震の津波、石碑
2011年3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震は、東北地方に甚大な被害をもたらした。本校理科研究部では、同年に津波の現地調査を行った。本研究では、2015年11月に岩手県宮古市・大槌町・釜石市にて同地震からの復興状況の調査を行った。宮古市には「万里の長城」とよばれた巨大な堤防があったものの、津波により崩壊し、堤防より漁港側の地区は復興もままならない状況であった。大槌町では、町全体が盛り土され、地元の方の話によると、震災前の風景は跡形もなくなっているという。釜石市でも、ところにより震災の爪痕があるものの、復興計画に沿って、街づくりを進めていた。 宮古市田老地区には、これまで幾度となく地震・津波に襲われ、その度に復興していった。前述の調査と同時に1896年・1933年に起こった三陸地震とその津波に関する石碑の調査を行った。その結果、田老地区だけでも21基の石碑を確認した。なかでも、田老海岸堤防にあった石碑には、田老地区が津波に襲われ、巨大な堤防が建てられるまでの過程が克明に記されていた。田老第一小学校にあった石碑には、1933年三陸地震を踏まえての教訓が記されていた。石碑は何百年もたつと風化し文面が読み取れなくなってしまう。このような記録を残し、書面化することは、地震のことを後世に語り継ぐ上でも重要であると思う。