13:45 〜 15:15
[O02-P27] 茨城県会瀬海岸の海岸侵食についての考察
キーワード:海岸侵食、会瀬海岸、海流
近年,茨城県北部沿岸では海岸侵食が報告されている。本校から近い会瀬海岸について,過去の空中写真を調べたところ,海岸侵食とみられる地形変動が見られた。本研究は,会瀬海岸における地形変動の実態と,海流との関係について考察する。
調査地の会瀬海岸は,幅100m弱の砂浜海岸である。海岸の砂を粒度分析した結果,中~粗粒砂が約8割を占めた。砂浜にはビーチカスプ地形(波長約30m)が1つ形成されており,調査期間中は継続して観察することができた。
私たちは,昨年7月から今年の3月にかけて,会瀬海岸の海浜地形(50m×30m四方)を約50日おきに地形測量し,砂浜海岸の地形面の変動を調べた。その結果,7月~12月間は海浜地形面が平均52cm低下する侵食がみられた。続く12月~3月間は海浜地形面が平均26cm上昇する堆積がみられた。よって,調査開始時より海浜地形面が全体で平均26cm侵食される結果となった。これらの地形変動は,主に前浜部分のみで生じていた。
これら地形変動を引き起こす要因として,調査地沿岸を流れる海流に焦点をあて考察した。海流のデータについては気象庁「日別の海流(親潮域)」を利用し,調査地沿岸を流れる海流の流速,流向および海流が流れた日数について調べた。その結果,侵食傾向が続いた8~10月を中心に海流の流速が速く,海流が南向きに流れる日数が多かった。また,堆積傾向が続いた12~3月は海流の流速が遅く,北向きに流れる日数が増加し,海流自体が流れない日数も増加していた。
以上のことから,南向きの流速が速い海流(親潮起源)によって会瀬海岸は侵食され,北向きの流速が遅い海流(黒潮起源)によって堆積が行われていると考えられる。
調査地の会瀬海岸は,幅100m弱の砂浜海岸である。海岸の砂を粒度分析した結果,中~粗粒砂が約8割を占めた。砂浜にはビーチカスプ地形(波長約30m)が1つ形成されており,調査期間中は継続して観察することができた。
私たちは,昨年7月から今年の3月にかけて,会瀬海岸の海浜地形(50m×30m四方)を約50日おきに地形測量し,砂浜海岸の地形面の変動を調べた。その結果,7月~12月間は海浜地形面が平均52cm低下する侵食がみられた。続く12月~3月間は海浜地形面が平均26cm上昇する堆積がみられた。よって,調査開始時より海浜地形面が全体で平均26cm侵食される結果となった。これらの地形変動は,主に前浜部分のみで生じていた。
これら地形変動を引き起こす要因として,調査地沿岸を流れる海流に焦点をあて考察した。海流のデータについては気象庁「日別の海流(親潮域)」を利用し,調査地沿岸を流れる海流の流速,流向および海流が流れた日数について調べた。その結果,侵食傾向が続いた8~10月を中心に海流の流速が速く,海流が南向きに流れる日数が多かった。また,堆積傾向が続いた12~3月は海流の流速が遅く,北向きに流れる日数が増加し,海流自体が流れない日数も増加していた。
以上のことから,南向きの流速が速い海流(親潮起源)によって会瀬海岸は侵食され,北向きの流速が遅い海流(黒潮起源)によって堆積が行われていると考えられる。