日本地球惑星科学連合2016年大会

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[O-02] 高校生によるポスター発表

2016年5月22日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、久利 美和(東北大学災害科学国際研究所)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構 地球環境変動領域)、成瀬 元(京都大学大学院理学研究科)、山田 耕(早稲田大学政治経済学術院)

13:45 〜 15:15

[O02-P27] 茨城県会瀬海岸の海岸侵食についての考察

*吽野 茉優1高星 さゆり1木名瀬 暁理1山崎 颯姫1佐藤 麻子1鷺 美月1佐藤 駿介1森泉 怜1丹羽 智哉1千葉 翔真1志関 弘平1 (1.茨城県立日立第一高等学校)

キーワード:海岸侵食、会瀬海岸、海流

近年,茨城県北部沿岸では海岸侵食が報告されている。本校から近い会瀬海岸について,過去の空中写真を調べたところ,海岸侵食とみられる地形変動が見られた。本研究は,会瀬海岸における地形変動の実態と,海流との関係について考察する。
調査地の会瀬海岸は,幅100m弱の砂浜海岸である。海岸の砂を粒度分析した結果,中~粗粒砂が約8割を占めた。砂浜にはビーチカスプ地形(波長約30m)が1つ形成されており,調査期間中は継続して観察することができた。
私たちは,昨年7月から今年の3月にかけて,会瀬海岸の海浜地形(50m×30m四方)を約50日おきに地形測量し,砂浜海岸の地形面の変動を調べた。その結果,7月~12月間は海浜地形面が平均52cm低下する侵食がみられた。続く12月~3月間は海浜地形面が平均26cm上昇する堆積がみられた。よって,調査開始時より海浜地形面が全体で平均26cm侵食される結果となった。これらの地形変動は,主に前浜部分のみで生じていた。
これら地形変動を引き起こす要因として,調査地沿岸を流れる海流に焦点をあて考察した。海流のデータについては気象庁「日別の海流(親潮域)」を利用し,調査地沿岸を流れる海流の流速,流向および海流が流れた日数について調べた。その結果,侵食傾向が続いた8~10月を中心に海流の流速が速く,海流が南向きに流れる日数が多かった。また,堆積傾向が続いた12~3月は海流の流速が遅く,北向きに流れる日数が増加し,海流自体が流れない日数も増加していた。
以上のことから,南向きの流速が速い海流(親潮起源)によって会瀬海岸は侵食され,北向きの流速が遅い海流(黒潮起源)によって堆積が行われていると考えられる。