日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

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[O-02] 高校生によるポスター発表

2016年5月22日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、久利 美和(東北大学災害科学国際研究所)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構 地球環境変動領域)、成瀬 元(京都大学大学院理学研究科)、山田 耕(早稲田大学政治経済学術院)

13:45 〜 15:15

[O02-P47] 重力の魔術師
〜重力可変装置で月・火星・エンセラダスの重力をつくる〜

*神野 佑介1、*永田 英1、*新居 優太郎1戸田 拓邦1中村 圭太1今林 潤1 (1.大阪府立春日丘高等学校 定時制の課程)

キーワード:微小重力発生装置、重力可変装置、惑星探査

近年,火星・冥王星・土星の衛星・月などの話題が頻繁に提供され,宇宙への夢がかき立てられている.本校科学部は,室内で利用可能な小型微小重力発生装置を持っている.これをさらに発展させて,月や火星などの天体の重力を地球上でつくることができないかと考えた.それには,教科書に登場したアトウッドの滑車が利用できそうだ.重力可変装置の製作を試みた.
火星,エウロパ,エンケラドスは生命の存在が期待される天体であり,月については月面基地の建設まで視野に入っている.これらの星の探査を行うにあたり,その星での重力下で予備実験を行うことは重要になる.このような,さまざまな重力をもつ天体上での現象を理解するための実験環境を作ることを目的として装置を製作した.
落下時の振動を抑えることが課題として残るが,簡単な原理を用いておもりの重量を調整することで目的とする天体の重力を充分に再現することができた.微小重力発生装置との連携で0Gから1Gまでの任意の重力を生み出すことができる.さらに,1Gを越えた重力環境をつくりだすことも可能である.これは系外惑星のスーパーアースの重力を模擬できる.
火星表面での水の振る舞いをこの装置を利用して実際にシミュレートした.その結果は,地球上での挙動とかなり異なることがわかった.これらの装置は,今後の太陽系探査において,その天体環境での予備実験に重要な役割を果たすと考えられる