日本地球惑星科学連合2016年大会

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[O-04] ジオパークへ行こう

2016年5月22日(日) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)

17:15 〜 18:30

[O04-P08] 月山ジオパーク構想について

*後藤 忠勝1柴田 知弘1橋本 智雄1齊藤 麻美1 (1.月山ジオパーク推進協議会)

月山は、標高1 9 8 4m で山形県のほぼ中央に位置し,その様相は二面性を持っています。東側からみると神奈備型と呼ばれるなだらかな山体、西側から見ると屏風のような切りだった岩壁の荒々しい山体となっています。
冬には日本海から大量の水分を含んだ空気が直接山体に届き、周辺地域に大量の雪をもたらし、地域住民の大きな負担となってきました。ただ、夏まで残るほどの豪雪は、豊かな水資源や多様な植生を育み、人々の生活に潤いを与えてきました。その一方で、その豊富な水や月山周辺の地質が、この地域を日本有数の地すべり地帯にしています。さらに、その自然の厳しさと特異な自然景観が、人々に畏敬の念を抱かせ、古より出羽三山信仰という山岳信仰のメッカとなってきました。
月山ジオパーク構想は、月山を取り囲む鶴岡市、庄内町、西川町、大蔵村、戸沢村の5市町村が連携して活動に取り組んでおり、平成27年3月に月山ジオパーク推進協議会を立ち上げました。当協議会は、ジオパーク活動に取り組むことによって、地域資源の価値を再確認するだけでなく、月山の成り立ちや地形・地質を学ぶことで、既存の地域資源に付加価値をつけ、地域への愛着や誇りを醸成し持続可能な地域社会を目指しています。
当協議会の活動の第1歩として、まずは地域住民自らが地域の資源を見つめなおすきっかけとなるように、環境省の協力のもと各構成市町村でワークショップや現地でフィールドワークを実施しました。さらには、その結果を5市町村全体で共有しようと、全体ワークショップを開催しました。
また、月山の魅力をもっと伝えていく人材を育成するため、山形大学の地域連携推進プログラムの協力のもと、ジオガイド養成講座を実施しました。さらに、この豪雪や私たちの生活文化をより多くの人に体験してもらおうと、2月から3月にかけて東南アジア圏を対象にインバウンドツアーを催行することにしています。
今回のポスターセッションでは、27年度に実施した月山ジオパーク推進協議会の活動についてツアーの内容や実施結果の報告を中心に発表します。