日本地球惑星科学連合2016年大会

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[O-04] ジオパークへ行こう

2016年5月22日(日) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)

17:15 〜 18:30

[O04-P23] ジオツアーの構築手法

*宮之原 優聖1 (1.霧島ジオパーク推進連絡協議会)

キーワード:霧島山、ジオストーリー、ジオツーリズム、地域多様性

第6回日本ジオパーク全国大会の開催地となった霧島ジオパークでは、大会のプログラムの一つである「ジオツアー」の実施のために、約1年前からジオガイドを中心にツアー部会を立ち上げ、ジオツアーの企画立案を行ってきた。ここでいうジオツアーとは、日本ジオパークネットワーク関係者が集まる全国大会の最終日に行うツアーであり、大会参加者の約半数が参加し、現地視察を兼ねたプログラムとなっている。そのため各ジオパークで行われる地域住民や観光客を対象とした一般的なジオツアーとは異なり、参加者はジオパークに対してある程度の知識を有するが、参加者の属性(行政職員、ジオガイド、学者、企業関係者等)は様々であるといった特徴がある。したがって、ツアー参加者は一般旅行者に比べジオパークに関する興味や知識度は強いものの、参加者によって地球科学に関する専門的な知識量が千差万別であるという性質を示す。
一方で、最近のジオツアーの動向として「ただのバスツアー」では物足りなくなっている点が挙げられる。これまでのジオツアーの場合、ジオストーリーを語る場所であるジオサイト同士が離れている事も多く、滞在時間よりもバスの移動時間が長いというケースも稀ではない。またジオガイドは、ジオサイト毎の解説は養成講座などで勉学し経験も豊富であるが、バスガイドとなるとジオサイト間の繋がりや移動中の車窓から見える景色など幅広い知識と巧みな話術が必要となる。つまり、地域の歴史や文化を取り入れることは勿論の事だが、アクティビティを取り入れたツアーやバス以外の乗り物を利用し、参加者に飽きさせないツアー手法も今後開発していく必要がある。
ここでは日本ジオパーク霧島大会のジオツアーを例に、ジオツアー設計の際に重要視した点や今後の課題(特にジオストーリーの反映)について述べ、霧島ジオパークにおける新たなジオツーリズムの可能性について考察したい。