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[PCG10-13] DESTINY+: Phaethon fLyby with reUSable probe
キーワード:Asteroid (3200) Phaethon, Meteor Showers, Meteor shower parent bodies, Primitive bodies, DESTINY+, PROCYON-mini
深宇宙探査技術実証機DESTINY+ミッションでは,親機のDESTINY+および親機から放出される子衛星(PROCYON-mini)により、小惑星 (3200)Phaethonのフライバイ探査および関連天体へのマルチフライバイ探査を計画している。小惑星Phaethon(公転周期1.4年)は、ふたご座流星群母天体であり、近日点(0.14AU)でのみ彗星活動が報告されている彗星―小惑星遷移天体である。地上観測から明らかになった、ふたご座流星群の発光輝線スペクトルが示すナトリウム枯渇から、母天体であるPhaethonの局所的加熱溶融も示唆されている。したがって、Phaethonには局所的加熱溶融を経た物質と彗星的物質が混在する可能性があり、彗星の物質不均質と太陽系固体物質の熱進化解明の鍵となる探査標的ある。また、2005UDおよび1999YCという分裂天体を持つとともに、メインベルト小惑星(2) Pallasからの分裂天体である可能性もあり、太陽系外縁部から内側への物質移動仮説を実証する天体でもある。さらに流星群は地球の公転軌道と交差するため、流星群の流星体は定期的な地球へ物質供給源であり、地球生命の起源と関連する可能性も高い。直径5.1kmと地球接近天体の中でも最大級で、スペースガードの観点から監視と理解が必要である。本稿では、DESTINY+による小惑星Phaethonへのフライバイミッションの計画内容と科学的意義について述べる。