15:30 〜 16:45
[PCG21-P06] 地上電波望遠鏡SPARTによる金星中層大気の一酸化炭素のモニタリング観測
キーワード:金星、地上電波望遠鏡、太陽活動
中心星が惑星大気の物理・化学的環境に与える影響を理解するため、G型星である太陽の活動が太陽系の地球型惑星の中層大気に与える影響の詳細理解が鍵を握る。そこで我々は国立天文台野辺山宇宙電波観測所にある口径10 mのミリ波干渉計のうち1 台を独立させ惑星大気の観測に特化させ、太陽系惑星大気監視プロジェクト(SPART:Solar Planetary Atmosphere Research Telescope) を推進している。
これまでに我々はSPART 望遠鏡を用いて、磁場で守られていない金星や火星の中層大気における一酸化炭素(CO) の変動のモニタリング観測を実施している。具体的には(12CO J=1-0 115.2712018, GHz J=2-1 230.538 GHz, 13CO J=2-1 220.3986765 GHz )の回転遷移による吸収スペクトルを観測している。2011-2015年 の観測期間において、金星の高度80 km 付近のCO 混合比の全球平均 (光解離等によりCO2からCOが形成される) は、およそ60 ppmv であった。野辺山宇宙電波観測所の太陽電波偏波計1 GHz 帯の電波強度を解析すると、この観測期間中、太陽活動はほぼ極大期を維持していることが分かった。Cycle-22における過去のCO混合比(高度80 km)と比べて、Cycle-24におけるCO混合比は半減しており、近年の太陽活動の低下傾向との関連の可能性が示唆される。太陽はこれから極小期を迎えるため、これに伴ってCOがどのように変動していくか観測を継続していく予定である。本講演では、これら一連の解析の現状を報告する。
これまでに我々はSPART 望遠鏡を用いて、磁場で守られていない金星や火星の中層大気における一酸化炭素(CO) の変動のモニタリング観測を実施している。具体的には(12CO J=1-0 115.2712018, GHz J=2-1 230.538 GHz, 13CO J=2-1 220.3986765 GHz )の回転遷移による吸収スペクトルを観測している。2011-2015年 の観測期間において、金星の高度80 km 付近のCO 混合比の全球平均 (光解離等によりCO2からCOが形成される) は、およそ60 ppmv であった。野辺山宇宙電波観測所の太陽電波偏波計1 GHz 帯の電波強度を解析すると、この観測期間中、太陽活動はほぼ極大期を維持していることが分かった。Cycle-22における過去のCO混合比(高度80 km)と比べて、Cycle-24におけるCO混合比は半減しており、近年の太陽活動の低下傾向との関連の可能性が示唆される。太陽はこれから極小期を迎えるため、これに伴ってCOがどのように変動していくか観測を継続していく予定である。本講演では、これら一連の解析の現状を報告する。