09:45 〜 10:00
[PEM04-04] 汎用時系列予報機UFCORINを用いた太陽フレア予測の進展について
キーワード:宇宙天気予報、フレア予測
我々は、自動化された宇宙天気予報を提供するためのソフトウェアプラットフォームUFCORIN(Universal Forecast Constructor by Optimized
Regression of INputs)を開発し、それを用いて宇宙天気予報を研究している。
これまでの実験では、2011-2012年の二年間の期間において、GOES衛星の観測に
よる太陽X線フラックスの時系列データを予測対象とし、GOESデータの過去デー
タおよびSDO/HMIによる太陽面視線垂直磁場画像データをもとに、6160通りの予
報戦略を試し、その性能比較を行った(Muranushi et al. 2015)。
太陽フレア予測の研究では、
Bloomfield et. al(2012)の提案以来、予報性能の指標としてTSS(True Skill Statistics)が広く使われている。ところが我々は、数多くの予報戦略を比較する
場合、TSSの値は、予報戦略どうしの平均値の差にくらべ、交差検定データを変
えたときのゆらぎが大きすぎて、適切な性能比較ができないことを発見した。
そこで、交差検定データごとに、各予報戦略のTSSの偏差値($z$-value)を算出したところ、交差検定データを変えても一貫して高い偏差値を示す予報戦略の存在が観察された。我々はこの偏差値を用いる手法を、数多くの予報戦略を比較する手段として提案する。
本研究の中で、X,M,Cクラスフレアに対する最善の予報戦略のTSSはそれぞれ$0.75\pm0.07$, $0.48\pm0.02$, および $0.56\pm0.04$であった。
また、我々は(Muranushi et al. 2015)を元に、2015年8月よりリアルタイムフレア予報を提供している。この予報はサーバ障害等によるダウンタイムがあるものの、12分おきに自動的に提供されている。本発表ではこのリアルタイム予報実験の進捗についても報告する。
Regression of INputs)を開発し、それを用いて宇宙天気予報を研究している。
これまでの実験では、2011-2012年の二年間の期間において、GOES衛星の観測に
よる太陽X線フラックスの時系列データを予測対象とし、GOESデータの過去デー
タおよびSDO/HMIによる太陽面視線垂直磁場画像データをもとに、6160通りの予
報戦略を試し、その性能比較を行った(Muranushi et al. 2015)。
太陽フレア予測の研究では、
Bloomfield et. al(2012)の提案以来、予報性能の指標としてTSS(True Skill Statistics)が広く使われている。ところが我々は、数多くの予報戦略を比較する
場合、TSSの値は、予報戦略どうしの平均値の差にくらべ、交差検定データを変
えたときのゆらぎが大きすぎて、適切な性能比較ができないことを発見した。
そこで、交差検定データごとに、各予報戦略のTSSの偏差値($z$-value)を算出したところ、交差検定データを変えても一貫して高い偏差値を示す予報戦略の存在が観察された。我々はこの偏差値を用いる手法を、数多くの予報戦略を比較する手段として提案する。
本研究の中で、X,M,Cクラスフレアに対する最善の予報戦略のTSSはそれぞれ$0.75\pm0.07$, $0.48\pm0.02$, および $0.56\pm0.04$であった。
また、我々は(Muranushi et al. 2015)を元に、2015年8月よりリアルタイムフレア予報を提供している。この予報はサーバ障害等によるダウンタイムがあるものの、12分おきに自動的に提供されている。本発表ではこのリアルタイム予報実験の進捗についても報告する。