17:15 〜 18:30
[PEM04-P16] Occurrence probability of plasma bubbles deduced from GAIA simulation data
キーワード:plasma bubble, GAIA, linear growth rate, Rayleigh-Taylor instability, ionospheric disturbance
プラズマバブルやスポラディックE層、SED (Storm Enhanced Density)などの電離圏擾乱現象は、通信、放送、測位などに障害を起こすため、宇宙天気予報における最重要課題の一つとなっている。これらの現象は、一般に水平スケールが数100km以下のメソスケール現象であり、その予測には、リアルタイム電離圏観測と高精度の大気圏・電離圏モデルが必要である。我々のグループでは、電離圏擾乱現象の再現と予測を目的とした全大気圏-電離圏結合モデル(GAIA)を開発してきた。現在のGAIAは、これらのメソスケール現象を直接再現するには分解能がまだ十分でないが、プラズマバブルについては背景場から線形成長率を見積もることにより、発生しやすさを推定できる可能性がある。今回我々は、1996年から現在までの長期シミュレーションデータから、各日についてレイリーテイラー不安定の線形成長率の最大値を求め、プラズマバブル発生の観測データと比較した。その結果、GAIAデータから計算された線形成長率が大きい期間は、実際にプラズマバブルが発生した期間に対応する傾向があることがわかった。この結果は、GAIAのシミュレーションデータを用いてプラズマバブルの発生確率を推定できる可能性を示すものと言える。