17:15 〜 18:30
[PEM04-P29] Space Weather and Terrestrial Weather during the Transition Period of the Solar Activity in 13th and 14th Century: an Examination on Disaster Records in Yuan Dynasty.
キーワード:Wolf Minimum, Medieval Warm Period, solar activity, Extreme Terrestrial Weathers
13世紀、太陽活動は急速に低調になり、中世極大期 (1100-1250) を終えて、所謂ウォルフ極小期 (1280-1340) に突入した。このような太陽活動の変化は地球にも大きな気候変動をもたらし、いわゆる中世温暖期 (10c-13c) が終わり、小氷期 (14c-19c)が始まった。当初、ユーラシア大陸はモンゴル帝国による空前の世界帝国を経験し、東西の交易路が「モンゴルの平和」の下に統合される稀有な時代にあったが、かような世界帝国も折からの気候変動には勝てず、小氷期の始まりと時期を同じくして解体し、その背景に異常気象による飢餓や社会不安があったことは夙に語られるところである。しかし、そのような異常気象については漠然とその存在が語られるのみで従来踏み込んだ検討がなされてこなかった。そこで本報告では、モンゴル治下中国 (元王朝: 1235-1368)の災異記録を検討し、C14などの科学データとの比較を通して、太陽活動の移行期に地球上にもたらされた異常気象の具体像に迫る。