日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

インターナショナルセッション(ポスター発表)

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM04] Space Weather, Space Climate, and VarSITI

2016年5月22日(日) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*片岡 龍峰(国立極地研究所)、プルキネン アンティ(NASAゴダード宇宙飛行センター)、海老原 祐輔(京都大学生存圏研究所)、三好 由純(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、清水 敏文(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)、浅井 歩(京都大学宇宙総合学研究ユニット)、陣 英克(情報通信研究機構)、佐藤 達彦(日本原子力研究開発機構)、草野 完也(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、宮原 ひろ子(武蔵野美術大学造形学部)、伊藤 公紀(横浜国立大学大学院工学研究院)、塩川 和夫(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、中村 卓司(国立極地研究所)、余田 成男(京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻)、一本 潔(京都大学大学院理学研究科附属天文台)、石井 守(国立研究開発法人情報通信研究機構)

17:15 〜 18:30

[PEM04-P29] Space Weather and Terrestrial Weather during the Transition Period of the Solar Activity in 13th and 14th Century: an Examination on Disaster Records in Yuan Dynasty.

*早川 尚志2宮原 ひろ子5玉澤 春史1磯部 洋明3,4片岡 龍峰6,7 (1.京都大学大学院理学研究科附属天文台、2.京都大学大学院文学研究科、3.京都大学大学院総合生存学館、4.京都大学宇宙総合学研究ユニット、5.武蔵野美術大学、6.国立極地研究所、7.総合研究大学院大学)

キーワード:Wolf Minimum, Medieval Warm Period, solar activity, Extreme Terrestrial Weathers

13世紀、太陽活動は急速に低調になり、中世極大期 (1100-1250) を終えて、所謂ウォルフ極小期 (1280-1340) に突入した。このような太陽活動の変化は地球にも大きな気候変動をもたらし、いわゆる中世温暖期 (10c-13c) が終わり、小氷期 (14c-19c)が始まった。当初、ユーラシア大陸はモンゴル帝国による空前の世界帝国を経験し、東西の交易路が「モンゴルの平和」の下に統合される稀有な時代にあったが、かような世界帝国も折からの気候変動には勝てず、小氷期の始まりと時期を同じくして解体し、その背景に異常気象による飢餓や社会不安があったことは夙に語られるところである。しかし、そのような異常気象については漠然とその存在が語られるのみで従来踏み込んだ検討がなされてこなかった。そこで本報告では、モンゴル治下中国 (元王朝: 1235-1368)の災異記録を検討し、C14などの科学データとの比較を通して、太陽活動の移行期に地球上にもたらされた異常気象の具体像に迫る。