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[PEM07-P05] Magnetospheric dynamo driving the nightside Region 2 field-aligned current system
キーワード:field-aligned current, dynamo, Region 2
磁気圏と電離圏をつなぐ沿磁力線電流の重要性は広く認識されている。電離圏に定常プラズマ対流を駆動するためには、沿磁力線電流により磁気圏から電離圏へエネルギーを供給し続けなければならない。電流回路の磁気圏側では電磁エネルギーを生み出す「ダイナモ」過程が存在する。しかしこの磁気圏ダイナモの理解が進んだのはごく最近である。グローバル数値シミュレーションにより、磁気圏においてはプラズマの熱エネルギーが流れの運動エネルギーよりずっと大きく、沿磁力線電流のエネルギー源になっていることが理解された。また、Region 1沿磁力線電流系のダイナモ過程は「膨張する磁気遅進波擾乱」で解釈されることが明らかになってきた。しかし同様の解釈を夜側Region 2に適用することはできないこともわかってきた。本研究の目的は、電磁流体近似を用いて夜側Region 2ダイナモ過程を物理的に解釈するとともに、磁気圏ダイナモ過程の理論を一般化することである。磁気圏ダイナモは電流密度ベクトル(J)と電場ベクトル(E)の内積が負(J・E < 0)の領域として定義される。この条件をPoyntingの法則、Faradayの法則、Ohmの法則を用いて(運動方程式を用いずに)磁場の空間変動に関する条件で書くことができる。磁場が比較的強い高ベータ領域を念頭に、磁場構造が物理を決めると考えると、ダイナモを形成するには(1)磁気圧がプラズマ対流に沿って増加するか(2)磁気張力とプラズマ対流が逆向きである、ことが必要である。運動方程式を加えて考察すると、前者はプラズマ圧が磁気圧で支えられていることを意味し、膨張する磁気遅進波擾乱で解釈される。これはRegion 1に適用される。一方後者はプラズマ圧が張力で支えられていることを意味し夜側Region 2に適用されると考えられる。後者についてはこれまで注目されたことがなく、本研究ではこの磁気張力によるダイナモについて議論する。