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[PEM16-03] 超稠密GNSS受信ネットワークによる電離層TECの微細変動の特性
キーワード:GNSS気象学、超稠密GNSS受信ネットワーク、可降水量、電離層全電子数、電離層伝搬遅延
GNSS衛星の電波が電離層と対流圏で起こる伝搬遅延からTEC(Total Electron Content)と可降水量(PWV: Precipitable Water Vapor)が求まる。2011年に宇治市西方の約10㎞四方に1-2km間隔で7-15台の受信機を設置し稠密GNSS受信ネットワークを構築した。降水雲の接近に先立つ約15分前にPVWが約5 mm増加し、その水平変化は3-10mmであった。このため精度2mmでのPWV測定が目標となる。今後数百台のGNSS受信機を想定した場合、廉価な1 周波GNSS受信機を用いる必要がある。2周波GNSS受信機では電離層遅延を除去できる。1周波受信機に対して、その周辺の2周波受信機で得られる電離層遅延を内挿する電離層補正モデルを用いる。
天頂付近に長時間滞在する準天頂衛星(QZSS: Quasi-Zenith Satellite System)により1-2kmの空間分解能で電離層のTECの1分値の時間変動を観測した。日出・日没時及び地磁気擾乱時のTECの時間変化に有意な空間分布は認められなかった。一方、伝搬性電離層擾乱が起こると、水平スケール数十kmの波状にTECが滑らかに空間変動した。これらは電離層遅延を厚みのない1層で空間内挿して補正する際に、2次曲面までを仮定すれば十分である。電離層情報を空間内挿するモデルとして、RTNetに付加されたHIRIM、およびドイツGFZが開発したSEIDを用いた。狭い空間スケールでの30秒間隔の内挿ではSEIDがより良好で、PWVの誤差をRMSで1.5mmに抑えられることが分かった。また1秒間隔の内挿を行うことで誤差を70%に抑える事ができた。
天頂付近に長時間滞在する準天頂衛星(QZSS: Quasi-Zenith Satellite System)により1-2kmの空間分解能で電離層のTECの1分値の時間変動を観測した。日出・日没時及び地磁気擾乱時のTECの時間変化に有意な空間分布は認められなかった。一方、伝搬性電離層擾乱が起こると、水平スケール数十kmの波状にTECが滑らかに空間変動した。これらは電離層遅延を厚みのない1層で空間内挿して補正する際に、2次曲面までを仮定すれば十分である。電離層情報を空間内挿するモデルとして、RTNetに付加されたHIRIM、およびドイツGFZが開発したSEIDを用いた。狭い空間スケールでの30秒間隔の内挿ではSEIDがより良好で、PWVの誤差をRMSで1.5mmに抑えられることが分かった。また1秒間隔の内挿を行うことで誤差を70%に抑える事ができた。