17:15 〜 18:30
[PEM18-P01] THEMIS衛星データに基づくサブストーム時の磁気圏尾部変動の統計的研究
キーワード:サブストーム、THEMIS
地球磁気圏が太陽風から得たエネルギーは、磁気圏尾部の領域に磁場のエネルギーとして蓄えられる。この過程がある限界を超えると、蓄積した磁場のエネルギーが粒子の運動エネルギーに変換される現象が始まる。サブストームと呼ばれるこの現象の物理的メカニズムについては、未だ不明な点が多く残されている。
そこで、本研究では、サブストーム時の磁気圏尾部領域の変動を解明する手がかりを得るため、2007年11月から2010年4月までのTHEMIS衛星データを用いて、サブストーム開始前後の磁気圏プラズマシート中央部のプラズマの速度3成分の時間変化を調べた。解析にはサブストームのオンセット(開始)時刻を基準とする時間重畳法(Superposed Epoch Analysis)を用いた。特に、磁力線の輸送を調べるために磁力線に垂直な速度も解析した。また速度を正方向、負方向に分けて解析することで、それぞれの流れがどのような傾向を持つのかを調べた。その結果、-10 > X >-12Reの領域ではオンセット直前から地球向きの流れが増大する傾向がみられ、オンセット直後に尾部向きの流れが増大していることがわかった。また同様に、オンセット直前に地球向きの流れを持つデータの割合が増大し、オンセット直後に尾部向きのデータの割合が増大した。このことから、地球向きの流れはオンセット前に生じていると考えられ、それはNENL (Near-Earth Neutral Line) modelかCCSR (Catapult Current Sheet Relaxation) modelにより生じるものと解釈するのが合理的である。尾部向きの流れは、Ohtaniら(2009)の反射説によって解釈することができる。Y方向についても同様の解析を行ったところ、-10 > X >-12Reの領域でオンセット直前に朝方向きの流れが増大し、オンセット直後に夕方向きの流れが増大した。これは夕方側のデータを多く使用しているために起こるものだと考えられ、X方向と同じく反射説と調和的である。
さらに、オンセット直後に、-8 > X >-9Reの領域では、地球向きの流れを持つデータが尾部向きの流れを持つデータとほぼ同数となることが見出された。これは、カレントディスラプションを引き起こすバルーニング不安定の結果とみなすことができる。この解析結果は、カレントディスラプションが先行し、それが尾部側の磁気リコネクションを誘起してサブストームが発達するとする CD (Current Disruption) model を否定し、NENL modelおよびCCSR modelを支持するものである。
そこで、本研究では、サブストーム時の磁気圏尾部領域の変動を解明する手がかりを得るため、2007年11月から2010年4月までのTHEMIS衛星データを用いて、サブストーム開始前後の磁気圏プラズマシート中央部のプラズマの速度3成分の時間変化を調べた。解析にはサブストームのオンセット(開始)時刻を基準とする時間重畳法(Superposed Epoch Analysis)を用いた。特に、磁力線の輸送を調べるために磁力線に垂直な速度も解析した。また速度を正方向、負方向に分けて解析することで、それぞれの流れがどのような傾向を持つのかを調べた。その結果、-10 > X >-12Reの領域ではオンセット直前から地球向きの流れが増大する傾向がみられ、オンセット直後に尾部向きの流れが増大していることがわかった。また同様に、オンセット直前に地球向きの流れを持つデータの割合が増大し、オンセット直後に尾部向きのデータの割合が増大した。このことから、地球向きの流れはオンセット前に生じていると考えられ、それはNENL (Near-Earth Neutral Line) modelかCCSR (Catapult Current Sheet Relaxation) modelにより生じるものと解釈するのが合理的である。尾部向きの流れは、Ohtaniら(2009)の反射説によって解釈することができる。Y方向についても同様の解析を行ったところ、-10 > X >-12Reの領域でオンセット直前に朝方向きの流れが増大し、オンセット直後に夕方向きの流れが増大した。これは夕方側のデータを多く使用しているために起こるものだと考えられ、X方向と同じく反射説と調和的である。
さらに、オンセット直後に、-8 > X >-9Reの領域では、地球向きの流れを持つデータが尾部向きの流れを持つデータとほぼ同数となることが見出された。これは、カレントディスラプションを引き起こすバルーニング不安定の結果とみなすことができる。この解析結果は、カレントディスラプションが先行し、それが尾部側の磁気リコネクションを誘起してサブストームが発達するとする CD (Current Disruption) model を否定し、NENL modelおよびCCSR modelを支持するものである。