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[PEM18-P02] GEOTAIL衛星データを用いた昼側磁気リコネクションの構造の解明
キーワード:磁気リコネクション、Hall効果、非対称、GEOTAIL衛星
本研究では、夜側磁気圏に比べ、これまであまり統計的に研究されてこなかった昼側磁気圏における磁気リコネクション構造についてGEOTAIL衛星のデータを用いて調べた。夜側磁気圏で発生する磁気リコネクションは、上流の磁場強度・プラズマ密度・温度が等しく、対称な空間構造を持つと考えられている。他方、昼側磁気圏では磁気圏プラズマと太陽風起源のシースプラズマがリコネクションを起こすため、非対称な構造を持ったものになると考えられている。また、夜側磁気圏のリコネクションではHall効果に起因する四重極磁場構造がみられ、昼側磁気圏のリコネクションでは双極子磁場構造がみられると考えられている。本研究では、GEOTAIL衛星観測データをもとに速度と磁場の同時符号反転を基準にリコネクションイベントを選定した。1995~2014年において選定したイベント数は32例で、それぞれのイベントのHall磁場構造には四重極構造あるいは双極子構造のいずれかがみられた。選定したイベントにおいて、LMN座標系を用いて衛星の磁気中性線通過前後のイオンの密度や磁場の大きさの変化量等を調べることにより、中性線付近のHall磁場構造について詳細に解析した。その結果、四重極構造がみられたイベントの磁気中性線通過前後のイオンの密度比(シース中の密度/磁気圏中の密度)の平均値は7.5、磁場強度比(磁気圏中のBz/シース中の|Bz|)の平均値は1.53と小さかったのに対し、双極子構造がみられたイベントではイオンの密度比の平均値は36.1、磁場強度比の平均値は2.68と大きな値を示した。また、選定したイベントにおいて、イオンの速度分布関数を用いて高温の高速流出成分と低温の流入成分についての解析を行い、対称リコネクションと非対称リコネクションのHall電流構造と整合的であることを確認した。