11:30 〜 11:45
[PEM19-04] 太陽電波バースト中のゼブラパターンの偏波とそのスペクトル特性の比較
キーワード:太陽コロナ、電波バースト、偏波、AMATERAS
ゼブラパターン(ZP)とは太陽電波IV型バースト中に観測されるスペクトル微細構造のひとつであり、IV型バーストの広帯域連続性放射に対して、狭帯域のバンドが多数並んだ縞模様状のスペクトル形状を示す現象である。このような微細構造は、粒子加速、静電波励起、電磁波へのモード変換といった電波の放射過程や伝搬過程における変調を反映しており、太陽コロナ中での物理過程を理解する上で重要な情報源である。特に偏波は電波の放射過程によって決定される物理特性であるが、ZPの偏波特性に関する研究は少なく、偏波とZPの放射機構との関係性は明らかになっていない。本研究では、ZPの放射機構の理解を目的とし、高分解スペクトルデータを用いた偏波解析を行った。
Kaneda et al.(2015, ApJL)では2011年6月21日に発生したZPについて解析を行い、Oモードで放射された電波の一部が放射源近くでXモードに変換され、偏波率が減少した可能性を示した。本研究では上記の結果がZPの一般的な性質であるかを検証するため、メートル波帯太陽電波観測装置AMATERASで観測された17例のZPについて解析を行った。解析の結果、円偏波率、左右偏波成分間の時間差、縞構造の周波数間隔はそれぞれ、10~80%、0~70ms、1~5MHzであること、また、これらの特性はイベント毎に大きく異なっていることがわかった。イベントごとの偏波特性の違いは電波放射、伝搬中に働く物理過程の違いを示唆している。本講演では、ZPの偏波特性の違いがプラズマ放射における基底波と2倍高調波の違いによって生じている可能性について議論する。
Kaneda et al.(2015, ApJL)では2011年6月21日に発生したZPについて解析を行い、Oモードで放射された電波の一部が放射源近くでXモードに変換され、偏波率が減少した可能性を示した。本研究では上記の結果がZPの一般的な性質であるかを検証するため、メートル波帯太陽電波観測装置AMATERASで観測された17例のZPについて解析を行った。解析の結果、円偏波率、左右偏波成分間の時間差、縞構造の周波数間隔はそれぞれ、10~80%、0~70ms、1~5MHzであること、また、これらの特性はイベント毎に大きく異なっていることがわかった。イベントごとの偏波特性の違いは電波放射、伝搬中に働く物理過程の違いを示唆している。本講演では、ZPの偏波特性の違いがプラズマ放射における基底波と2倍高調波の違いによって生じている可能性について議論する。