日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS11] 惑星科学

2016年5月26日(木) 13:45 〜 15:15 104 (1F)

コンビーナ:*濱野 景子(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、鎌田 俊一(北海道大学 創成研究機構)、座長:野田 寛大(国立天文台)、鎌田 俊一(北海道大学 創成研究機構)

15:00 〜 15:15

[PPS11-30] 磁極反転を記述する高次元スピンモデル

*國友 有与志1中道 晶香2原 哲也1 (1.京都産業大学、2.京都産業大学神山天文台)

キーワード:地磁気、太陽磁場、結合スピン

地球や太陽での磁極反転を記述するモデルとして、マクロスピンモデルが提案されている(Nakamichi et al. 2012, Mori et al. 2013)。このモデルは、まず天体内部の対流構造によって発生した複数の渦構造に電流が巻き付き、マクロな方向をもつ磁場が生成される。そして、このマクロな磁場構造をマクロスピンと呼ぶこととし、それらの相互作用によって磁極の振る舞いを表すというものである。このモデルは、磁極の定常期の存在や、その持続時間のランダム性、急激で間欠的な反転、パワースペクトル等、実際の地磁気の観測的特徴をよく再現する。また、太陽に対して適用した場合は、太陽で特徴的な磁極反転の周期性まで再現することができる。 今回、我々は、円周上を動くマクロスピンモデルの次元を上げ、球面上を動くようなモデルとする研究を行った。その結果、磁極反転の特徴以外にも、先行研究では不可能であった磁極の極付近でのふらつきの観測データとの比較が可能となり、より多くの種類の観測事実を再現でき得ることが分かった。また、磁極の従う統計分布に関しては、Lévy分布やLog-Normal分布に従うといった研究結果が報告されている(Carbone et al., 2006, Ryan & Sarson, 2007)。そこで、我々はこの高次元モデルを用いて統計的な研究を行い、これらの提案されている分布関数との比較も行った。