日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS11] 惑星科学

2016年5月25日(水) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*濱野 景子(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、鎌田 俊一(北海道大学 創成研究機構)

17:15 〜 18:30

[PPS11-P01] 異なるハビタブルゾーン定義の比較のための系外惑星データベース「ExoKyoto」の開発

山敷 庸亮1伊藤 岳陽3嶋田 侑治3稲澤 真里子4、*佐々木 貴教2西浦 理4野津 翔太2石川 裕之5鈴木 杏那6坂上 峻仁5野津 湧太2中村 尚樹2行方 宏介5磯部 洋明1柴田 一成2下崎 紗綾7藤田 汐音7 (1.京都大学大学院総合生存学館、2.京都大学大学院理学研究科、3.京都大学農学部、4.京都大学工学部、5.京都大学理学部、6.京都産業大学大学院理学研究科、7.SGH滋賀県立守山高校)

キーワード:系外惑星、ハビタブルゾーン、太陽系相当天文単位

存在が確認された系外惑星系をより理解し、異なるハビタブルゾーンの定義を互いに比較するための系外惑星データベース「ExoKyoto」を開発した。「ExoKyoto」のコアモジュールはC++で記載され、「系外惑星」「ホスト星」などを始めとする異なるクラスが定義されている。ハビタブルゾーンの定義はKopparapu et al. (2013)の定義が参照ケースとして定義されているが、その他に太陽系相当天文単位(SEAU)が定義され、系外惑星の位置と太陽系での想定されうる位置を理解することができる。
データベースはまた、すでに存在するExoplanet.eu, Open Exoplanet CatalogueやNASA exoplanet archiveなどとの相互比較参照モジュールを有し、相対的に信頼できる値を得ることができる。ほとんどの「ケプラー衛星」により発見された惑星のほとんどはトランジット法でのみ確認され、質量が同定されていないため、スーパーアースサイズの惑星に関してはLarsen and Geoffrey(2014)の方法を参照にした質量推定モジュールを有している。これによって、発見されている質量推定可能な系外惑星(計1988個)の分類としてスーパーアースサイズが最も多く(794個)なっており、超木星サイズ(480個)を上回り、木星サイズ以上(合計926個)に迫る。実際にはスーパーアースの中の140個しか質量が視線速度法で同定されていない。またKopparapu et al.(2013)によるM型星まわりのハビタブルゾーン判定は、他の判定に比較して個別要素による影響が大きく、さらなる改良が求められる。スーパーフレアの系外惑星への影響もデータベースにより議論可能である。
また、アウトリーチ目的のため、ExoKyotoはGoogle Skyによる位置検索インターフェースを有している。
Lauren M. W. and Geoffrey W. M. 2014. The mass-radius relation for 65 exoplanets smaller than 4 earth radii. The Astrophysical Journal Letters, 783:L6
Kopparapu R. K. et al. 2013. Habitable Zones Around Main-Sequence Stars: New Estimates. The Astrophysical Journal, 765:131