09:50 〜 10:10
[PPS14-04] アルマによるTW Hya周りの原始惑星系円盤中のCOガス観測
★招待講演
キーワード:原始惑星系円盤、CO分子輝線、有機分子生成
近年の赤外線・電波観測技術の向上により、原始惑星系円盤の観測的研究が急激に進展している。特に大型ミリ波サブミリ波望遠鏡アルマによる高空間分解能・高感度観測は、円盤内の惑星形成領域の物理・化学構造を明らかにすると期待される。
本講演では、アルマによるTW Hyaまわりの原始惑星系円盤中の13COとC18O分子輝線観測の結果を報告する。13COよりガス温度を求め、C18Oよりガスの柱密度分布を求めた結果、COガスがCOスノーラインの内側でも非常に少ないことが明らかになった。H2ガスとCOガスの比が星間雲と同程度と仮定すると、ガス・ダスト比は1~0.1程度になり、星間雲の典型的なガス・ダスト比100に比べると2-3桁もガスが減少していることになる。解釈としては、実際にH2ガスがダストに比べて減少しているか、あるいはCOガスのみ減少しているかの2通りが考えられるが、ハーシェル宇宙望遠鏡によるTW Hyaまわりの円盤からのHD分子輝線観測の結果によると、H2ガスは十分に存在すると思われる。従って、H2ガスが減少しているわけではなく、COガスが減少していると考えられる。COスノーラインの内側でもCOガスが減少している原因としては、COがダスト表面反応により、有機分子など、より大きく蒸発しにくい分子になり、ダスト表面に留まっている可能性がある。
本講演では、アルマによるTW Hyaまわりの原始惑星系円盤中の13COとC18O分子輝線観測の結果を報告する。13COよりガス温度を求め、C18Oよりガスの柱密度分布を求めた結果、COガスがCOスノーラインの内側でも非常に少ないことが明らかになった。H2ガスとCOガスの比が星間雲と同程度と仮定すると、ガス・ダスト比は1~0.1程度になり、星間雲の典型的なガス・ダスト比100に比べると2-3桁もガスが減少していることになる。解釈としては、実際にH2ガスがダストに比べて減少しているか、あるいはCOガスのみ減少しているかの2通りが考えられるが、ハーシェル宇宙望遠鏡によるTW Hyaまわりの円盤からのHD分子輝線観測の結果によると、H2ガスは十分に存在すると思われる。従って、H2ガスが減少しているわけではなく、COガスが減少していると考えられる。COスノーラインの内側でもCOガスが減少している原因としては、COがダスト表面反応により、有機分子など、より大きく蒸発しにくい分子になり、ダスト表面に留まっている可能性がある。