日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG56] 岩石・鉱物・資源

2016年5月26日(木) 13:45 〜 15:15 201B (2F)

コンビーナ:*野崎 達生(海洋研究開発機構海底資源研究開発センター)、三宅 亮(京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻地質学鉱物学教室)、土谷 信高(岩手大学教育学部地学教室)、齊藤 哲(愛媛大学大学院理工学研究科)、座長:野崎 達生(海洋研究開発機構海底資源研究開発センター)、三宅 亮(京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻地質学鉱物学教室)

13:45 〜 14:00

[SCG56-09] GANSEKI: JAMSTEC岩石サンプルと関連情報のアクセシビリティ

*富山 隆將1豊田 安美2堀川 博紀1JAMSTEC データ・サンプル・チーム (1.独立行政法人海洋研究開発機構、2.(株)マリン・ワーク・ジャパン)

キーワード:岩石サンプル、オンライン・データベース、キュレーション

海洋研究開発機構(JAMSTEC)はJAMSTEC船舶の観測航海で取得されたデータやサンプルを,研究・教育等を目的とした二次利用に公開している[1].GANSEKIデータベースは,JAMSTEC岩石サンプルのメタデータやコレクション情報,岩石サンプルの分析データを公開するためのオンラインシステムであり,2006年の公開後,数度の改修を経て現在まで運用されている[2].JAMSTEC岩石サンプルのキュレーションでは、古い航海のサンプルやその関連情報の収集にも努めており,GANSEKIには,古いものでは1980年代のサンプルも掲載されている.また,GANSEKIには文献等から集めたJAMSTEC以外の岩石サンプルの分析データの情報も含まれており,研究の参考に利用することができる.
岩石サンプルは,長期間の保存に耐える研究資源であり,数十年前に採取されたサンプルであっても,最新の分析機器を用いた研究に利用することができる.古いサンプルを有効利用するためには,サンプルを採取した場所や日時,周囲の地形,地質的産状のほか,そのサンプルが誰によって,どのような目的,手段で採取されたか,といった関連情報が充実していることが重要である.それら関連情報がアクセスしやすい形で残されていれば,サンプル採取に関わらなかった二次利用者でも、サンプルを採取した研究者に近い視点でサンプルの特性を見極め,自分の研究に利用することができる.
JAMSTEC岩石サンプルの特徴として,古い航海のものでも,メタデータ,映像・画像データ,地球物理観測データ,クルーズレポートなど,個々のサンプルの関連情報が取得・保存されていることが多い,ということが挙げられる.これら関連情報へのリンクはJAMSTECのNUUNKUIデータサイトにまとめられており,GANSEKI自体もそのひとつに数えられる[3].
岩石サンプルの利用に際して重要と思われるオンラインの情報には,GANSEKIのサンプル情報から直接リンクし,すぐに閲覧できるようになっている.中でも重要なのは,同じくNUUNKUIデータサイトに含まれるDARWINの航海・潜航情報や, J-EDIの画像・映像情報である[4,5].旧JDIVESデータビューアで行われていた潜水船の航跡情報の可視化サービスの機能は,J-EDIシステムに統合する方向で改修が進められている.
参照: [1]「データ・サンプルの取り扱いに関する基本方針」http://www.jamstec.go.jp/j/database/data_policy.html. [2]「深海底岩石サンプルデータベース(GANSEKI)」 http://www.godac.jamstec.go.jp/ganseki/j. [3]「GODACデータサイトNUUNKUI 」http://www.godac.jamstec.go.jp/jmedia/portal/j/. [4]「航海・潜航データ探索システム(DARWIN)」 http://www.godac.jamstec.go.jp/darwin/j. [5]「深海映像・画像アーカイブス(J-EDI)」http://www.godac.jamstec.go.jp/jedi/j.