[S-CG58] 地球惑星科学におけるレオロジーと破壊・摩擦の物理

[SCG58-P02] 粒子画像分析法による粉砕粒子の粒子サイズおよび粒子形態特性評価に関する可能性検討(2)

*笹倉 大督¹、桑野 修² (1.スペクトリス株式会社　マルバーン事業部、2.国立研究開発法人　海洋研究開発機構)

キーワード：断層ガウジ、粒子サイズ、粒子形状、粉砕、フラクタル分布

断層破砕帯は過去の断層破壊による粉砕、摩耗によってできた断層ガウジと呼ばれる粒子でみたされている。断層ガウジの粒子サイズ分布や粒子形状は、断層の摩擦強度に影響すると考えられる。また、それらの粒子形態情報は、過去の断層活動による破砕の様式や度合いを知る手掛りになるだろう。断層破砕帯における粒子サイズ分布はべき分布となることが知られており、べき指数は破砕の様式や進行度を反映していると考えられている。また、断層ガウジの粒子サイズ分布の測定から、過去の断層運動時の破壊エネルギーを見積る試みもなされている。
今回、粉砕の度合いと粒子サイズおよび形状の関係を調べるために、模擬粒子を用いた剪断粉砕実験を行ったので報告する。剪断粉砕実験は回転式剪断試験機を用いて、変位10mmから10mの範囲で行った。所定の変位量まで剪断した実験後の試料は回収後、乾式粒子画像分析装置 Morphologi G3-SE(Malvern Instruments)を用いてサイズ分布および形状を、粒子径1µm-1mmの範囲で測定した。観察ステージ上への試料の分散は、乾式分散ユニット(SDU)を使用して乾燥粉体の状態で実施した。
測定の結果、変位量の増加とともに粒子サイズ分布が変化し、変位10cm以上ではベき指数が変位とともに変化することが捉えられた。1µm以下の粒子サイズも測定可能なレーザー回折粒度分布測定装置による測定結果とも比較し、乾式粒子画像分析装置による粒子サイズ分布測定の有効性についても検討する。