日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG59] 海洋底地球科学

2016年5月26日(木) 15:30 〜 16:45 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*沖野 郷子(東京大学大気海洋研究所)、田所 敬一(名古屋大学地震火山研究センター)、石塚 治(産業技術総合研究所活断層火山研究部門)、土岐 知弘(琉球大学理学部)、高橋 成実(海洋研究開発機構地震津波海域観測研究開発センター)

15:30 〜 16:45

[SCG59-P11] 2015年11月14日薩摩半島西方沖地震(M7.1)と北部沖縄トラフ域における浅部地質構造の検討

*及川 光弘1西澤 あずさ1堀内 大嗣1岡田 千明1金田 謙太郎1 (1.海上保安庁海洋情報部)

キーワード:地殻構造、MCS

2015年11月14日薩摩半島西方沖でM7.1の地震(最大震度4)が発生した.気象庁によると,この地震の発震機構が北西ー南東方向に張力軸を持つ横ずれ断層型で,陸のプレートの地殻内で発生したということであるが,これまでにこの領域でM7を超えるような地震の発生記録はない.しかしながら,比較的小規模な地震はこの領域においてその地震の前後を含めて継続的に観測されている.
今回地震が発生した北部沖縄トラフは,トラフ底と東シナ海陸棚との境界をなす斜面が比較的なだらかであり,またトラフのリフト軸と推定される地溝状の地形は確認できない.対照的に,南部沖縄トラフでは,東シナ海陸棚とトラフ域を分ける明瞭な崖が形成されており,トラフ底においては八重山海底地溝,宮古海底地溝といった沖縄トラフのリフティング活動のリフト軸とみられる地形が明瞭に確認されている.そのため,北部沖縄トラフでは,リフティング活動が現在何処で,どのような規模で生じているのか,十分に把握されているとは言い難い.
海上保安庁は,北部沖縄トラフを横断し,2015年11月14日薩摩半島西方沖地震の震央付近を横断する測線において地殻構造調査を実施している.調査は海底地震計と6,000 inch3のエアガンアレイを用いた屈折法調査,および3,000 m, 240 chのストリーマーケーブルおよび1,050 inch3のトリクラスターエアガンアレイを用いたマルチチャンネル反射法探査によるものである.
海上保安庁の調査の結果,今回地震が発生した海域において,最上位の堆積層にまで変位を及ぼす断層が複数確認された.断層の走向は北東-南西方向で,それらはMCS断面から正断層と思われる.2015年11月14日薩摩半島西方沖地震の発震機構が北西-南東方向の張力軸である点と調和的である.北部沖縄トラフの大まかな形状は北北東-南南西方向の凹みとなっているが,北部沖縄トラフ内に点在する海丘・堆などのローカルな地形は北東-南西方向の構造を呈している.今回の断層群の走向はそれらローカルな地形の構造と整合するようにも見える.これらの結果は,北部沖縄トラフの現在のリフティング活動を把握する一助となると思われる.