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[SCG63-P16] 余効すべり伝播速度に関する摩擦特性の依存性
キーワード:速度状態依存摩擦構成則、有効法線応力、数値モデリング
大規模なプレート境界型地震が発生すると,それに伴って周囲に伝播する余効すべりによって,余震を誘発することが知られている.そのため,伝播速度をはじめとする余効すべりの物理現象を理解することは,災害リスクを事前評価する上でも重要な課題となっている. プレート境界面で発生する余効すべりの伝播速度について,室内岩石実験から推定された速度・状態依存摩擦構成則に基づいたパラメターを使って数値シミュレーションから再現できることが知られている.そこで,観測と合うように数値モデルのパラメタ―チューニングをすることにより,実際の場の摩擦特性を推定する研究が行われてきた.本研究ではこれをさらに発展させ,余効すべりの伝播速度について摩擦パラメター値と有効法線応力などから構成される関数として表現できるよう,理論的な解析を行った. その結果,摩擦パラメタ―aと有効法線応力σが大きいほど,余効すべりの伝播速度は指数関数的に減少し,摩擦パラメタ―bと特徴的すべり量dcは,応力擾乱の時間関数に依存するものの,近似的には伝播速度と線形的な関係(bは正,dcは負の傾き)にあることが確かめられた.ここで,応力擾乱の時間関数を数理的に表現・解析できる場合には,ほぼ定量的に説明できることも確かめられた.さらに,速度状態依存摩擦構成則の一つであるNagata-lawでの摩擦パラメタ―cの依存性についても考察を行う.