日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-EM 固体地球電磁気学

[S-EM34] 地磁気・古地磁気・岩石磁気

2016年5月24日(火) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*松島 政貴(東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻)、菅沼 悠介(国立極地研究所)

17:15 〜 18:30

[SEM34-P09] GPSコンパスを用いた古地磁気試料の方位付け

*福間 浩司1村松 哲夫1 (1.同志社大学理工学部環境システム学科)

キーワード:古地磁気学、考古地磁気学、GPSコンパス

古地磁気研究のためのドリルコアの方位は通常磁気コンパスを用いて測定し,時には太陽コンパスやバックサイティングで検証されます.気象条件や地理的な障害のため,しばしばこれらの補助的な測定を実行することはできません.また,強く磁化した火山岩は偏角を偏向させる局所磁場を発生させます.今回は直接方位付けデバイスに載せることができるコンパクトなGPSコンパスをテストし,いくつかの方位付けの方法によって火山岩のドリルコアの方位をクロスチェックしました.視界のよい場所にGPSコンパスを配置すると,方位測定はRMSが0.44度と優れた性能を示し,太陽コンパスとの角度の誤差は2.5度未満でした.このような高い精度を達成するために,RTK初期化のために約5分を待ち,35度以上の仰角には障害物がないことを確かめる必要がありました.実際のドリルコアの方位付けにおいては,露頭自体がしばしばGPSコンパスに対する障害物として作用しましたが,GPSコンパスの方位は太陽コンパスやバックサイティングの方位とほぼ一致しました.磁気コンパスは地域的な偏角補正により正確な方位を提供することが多いですが,ときには5度以上の比較的大きな偏差を示しました.この偏差量は単一サイト内でもサンプル間で異なることがあります.考古地磁気研究のための火山岩を採取するとき,磁気コンパス以外の方位付けの方法を用いて,それぞれのドリルコアの方位を確認する必要があります.