日本地球惑星科学連合2016年大会

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ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-EM 固体地球電磁気学

[S-EM34] 地磁気・古地磁気・岩石磁気

2016年5月24日(火) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*松島 政貴(東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻)、菅沼 悠介(国立極地研究所)

17:15 〜 18:30

[SEM34-P12] ガウス係数の数十年変動の経験的モード分解を用いた解析

*中島 涼輔1吉田 茂生2 (1.九州大学 大学院理学府 地球惑星科学専攻、2.九州大学 大学院理学研究院 地球惑星科学部門)

キーワード:地磁気の数十年変動、ガウス係数、外核、torsional oscillations、経験的モード分解

地磁気の数十年変動は、外核内部の波が原因だと考えられている。その波としては、torsional oscillationsかMagnetic-Archimedes-Coriolis(MAC)波(Braginsky, 1993; Buffett, 2014)の軸対称モードがよく使われる。両者の波の流れはともに軸対称だが、原理的には、非軸対称な波でも数十年変動を説明できて良い。ガウス係数から、そのような非軸対称な波の成分を取り出すために、まず経験的モード分解を用いて数十年変動を取り出し、次に軸対称流による変動を取り除いた。
私たちが用いた時系列データは、次数4までの過去150年間(1865〜2014年)のガウス係数である。今回、gufm1モデル(Jackson, 2000)、IGRF-12、CHAOS-5モデル(Finlay, 2015)のデータを組み合わせて、ガウス係数の時系列に対し経験的モード分解(Huang et al., 1998)を行った。
その分解によって、ガウス係数の赤道反対称成分は40か80年の周期を持つことが分かった。これらの成分のg-hプロットでは、直線的に偏光した振動が見られ、これは強制振動か振動する流れによる移流のいずれかによって起きていることを示している。
次に、軸対称流による移流が原因となる成分を取り除いた。この結果については会場で示す。