日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-EM 固体地球電磁気学

[S-EM35] 電気伝導度・地殻活動電磁気学

2016年5月25日(水) 10:45 〜 12:15 国際会議室 (2F)

コンビーナ:*市來 雅啓(東北大学大学院理学研究科)、宇津木 充(京都大学大学院理学研究科附属地球熱学研究施設火山研究センター)、座長:Ichihara Hiroshi(海洋研究開発機構)

11:00 〜 11:15

[SEM35-08] L1・L2正則化によるスパース推定法を用いた磁場3次元構造イメージング: 実データへの適用

*宇津木 充1 (1.京都大学大学院理学研究科附属地球熱学研究施設火山研究センター)

キーワード:インバージョン、磁化構造、スパース正則

近年、空中磁気観測で得られる磁場データから地下の3次元磁化構造を求める為の新たな解析手法がいくつか提案されている。これらのうちLi and Oldenburg,1996、Portniaguine and Zhdanov,1999、Portniaguine and Zhdanov,2002, Pilkington,2013はスパースな解を求める為の制約を課した解析手法を用いている。磁場(または重力)データから地下構造を求める場合、一般にデータよりも未知パラメータの数が多く、解くべき方程式はill-posedな線形方程式となる。このためインバージョンを行う際に解を安定させるため解に制約を与える事が広く行われるが、その条件にどのようなものを採るかにより得られる解の性質は大きく異なる。例えば一般的によく用いられる平滑化条件を課した場合、解の一意性が保障されない事と相まって実際の構造をぼかしたunfocusedな解が得られてしまい、構造の解釈を行う事が困難になってしまう。こうした事を是正する為、上に挙げた研究では、観測データを再現できるよりスパースな(即ち非ゼロ成分が少ない)解が得られるような制約を課し、結果解像度の高い解を得ようと試みている。ところで近年、Lasso(Tibshirani,1995)と呼ばれるスパース推定方が注目され機械学習、画像解析やゲノム情報解析などの分野で用いられている。この方法は解のL1ノルム(解ベクトルの各成分の絶対値の和)が最小となる制約を課した最適化方法で、この方法によりスパースな解が得られることが知られている。但しL1ノルム正則のみでは解の非ゼロ成分の数が観測データの次元以下に制限される。また係数行列の各列ベクトルの相関の高い場合(こうした状況はポテンシャル場の場合に非常によく現れる)解が過度に集中するなど、実用上、特に磁化構造解析のようなp<