[S-EM35] 電気伝導度・地殻活動電磁気学

[SEM35-P03] 深層学習技術を用いた地磁気変動推定の検討

*香取 勇太¹、大久保 寛¹、竹内 伸直² (1.首都大学東京、2.東北大学)

キーワード：地磁気推定、深層学習

我々の研究グループでは，連続地磁気観測を行った結果として，地震発生時における地震断層運動に伴う微小な地磁気信号の観測に成功している．この微小地磁気信号は，地震発生時の地中内の応力変化が引き起こすピエゾ磁気効果による信号と考えている．これまで観測された地震ピエゾ磁場変化は，共通して地磁気信号が地震断層運動に伴うように，徐々に連続的に変化する観測結果が得られ，地震発生から観測点まで地震が到達するまでの数秒間の間における微小な変化であった．
この磁場変化を計算機で自動検知が可能にするためには，クリアすべき課題があると考えている．そこで，我々は深層学習技術に着目し，地磁気推定の分野に適用することを提案する．深層学習技術は画像や音声信号の処理に用いられるだけでなく金融業界まで実用化されている事例があり，様々な用途で用いられている．今回我々は，深層学習技術を用いたリアルタイム地磁気推定を想定したうえで，複数観測点間の地磁気推定を検討した．本発表では，高精度に短時間の地磁気信号を予測し，ローカルな地磁気異常を検出することを目指した複数観測点間の地磁気推定を試みた結果とこれからの展望を報告する．