[S-GD22] 重力・ジオイド

[SGD22-05] 石垣島における超伝導重力計観測に及ぼす地下水の影響

*今西 祐一¹、名和 一成²、田村 良明³、池田 博⁴、宮地 竹史³ (1.東京大学地震研究所、2.産業技術総合研究所、3.国立天文台、4.筑波大学研究基盤総合センター低温部門)

キーワード：超伝導重力計、石垣島、地下水

石垣島における超伝導重力計観測は，地下で発生するスロースリップに関係した信号をとらえることを目的として，2012年に開始された．しかし，地下水と海洋の及ぼす影響，およびそれら相互の関係をモデリングすることが困難で，陸水擾乱と地下深部起源の信号との分離がうまくできていなかった．たまたま2015年は降水量が少なく，ダムの水位データなどから見て地下水量が減少したと考えられる時期があった．そこに台風が来たとき，海洋の潮位変化と地下水位の関係を直接的に示すような重力変化が明瞭に観測された．一方，土壌水分計のデータからは，地表付近の土壌水はそれとは独立した挙動を示すこともわかった．これらの観察事実をもとに海洋，地下水，大気，重力の関係を表すモデルを展開し，重力に及ぼす地下水の影響について発表する予定である．
ダム観測データを提供していただいた沖縄県名蔵ダム管理所に感謝します．本研究はJSPS科研費26289350の助成を受けたものです．