日本地球惑星科学連合2016年大会

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ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GL 地質学

[S-GL36] プレート収束境界における堆積盆形成テクトニクスの新たな展望

2016年5月23日(月) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*伊藤 康人(大阪府立大学大学院理学系研究科物理科学専攻)、高野 修(石油資源開発株式会社技術研究所)

[SGL36-P04] 何故弧状列島は形成されたか,どの様に凹プレート海盆は造られたのか.プレートテクトニクスの起源全てを,ユニークな仮説により解明できた.

*種子 彰1 (1.SEED SCIENCE Lab.)

キーワード:弧状列島の形成、凹プレート海盆、プレートテクトニクスの起源、マルチインパクト仮説、深海洋底の起源、月の起源

何故弧状列島は形成されたか,どの様に凹プレート海盆は造られたのか.プレートテクトニクスの起源全てを,ユニークな仮説(物理的な意味のある)により解明できた.
ウェゲナーの大陸移動説に頑固に抵抗した人でも,どちらも駆動力が不明であるが,プレートテクトニクスを採用する事にに反対する人はいなかった.駆動力としては,Holms(1929)のマントル対流仮説,湧き上がってくる海嶺でプレートを押す力,マントルに潜り込むプレートが引く力,それらのどれかと推定していた.プレートが剛体の様に平行に変形せず地表を移動するイメージは,硬いプレート(リソスフェア岩石圏)の下に流動性のある層(アセノスフェア岩流圏)とその下にある剛体的なメソスフェアを仮定している.ホットスポットからマントルが湧き上がり,平行な海山列が形成された事実が有る.しかも駆動方向が曲がった事も観測されている.基本的にどの駆動力も密度の差でマントル対流が起きていると考えている.問題は同密度のリソスフェアが,最初に他方の下に潜り込むメカ二ズムが提案できない.更に,移動方向が曲がるメカニズムや理由も提案できない.
マルチインパクト仮説は,以下の(A)・(B)二つのステップの仮定で,その結果が(1)~(15)の結論を示せた.
(A)木星摂動により軌道が偏平化した原始惑星CERRAが,木星と太陽の張力で断裂した。
(B)そのマントル断裂片が地球と交差する軌道のために,順次マントル片衝突を引き起こした.
結果(1)最初の太平洋位置への衝突で月を射出(12.4km/s,36.5度)し,その月の軌道は60・REと計算された.
(2)何故?月と太陽系がほぼ同一公転面に形成され, 月がマントルだけで形成されたのか? ⇒マントル片の衝突で.
(3)隕石に分化石質エコンドライト・鉄隕石が, 何故混在するのか? ⇒原因はマルチインパクトである.
(4)CERRA の潮汐破壊で、小惑星帯が形成された.エネルギー-は長軸長で略等しい.惑星に成れなかった旧説は誤り.
(5)数度に亘る衝突で生物種大絶滅を引き起こした.偶然に頼らない必然の衝突メカニズムである.
◎(6)複数個のマントル断裂片の衝突により,地球表面積の70 %もの広さの深海洋底(-5km) が形成された.
◎(7)プレートテクトニクスのPlate 境界は何故その位置に形成したか? ⇒衝突マントル剥離,亀裂と減圧溶融.
◎(8)環太平洋弧状列島と背弧海盆は,衝突欠損とアイソスタシーによりダーウィン隆起し,マントル減圧でプレートが凹になる.
◎(9)プレートテクトニクスの起源と駆動力の謎を解明した. ⇒駆動力=衝突による慣性モーメント偏芯の補完
◎(10)背弧海盆プレートへ,太平洋凸プレートが偏芯モーメント駆動力で押し合うと,アイソスタシーで潜り込み始める.
◎(11)何故キンバーライトパイプが南アのプレミアやロシアのミルーヌィ地区に形成?⇒ハワイ位置へ衝突と衝撃の対極へ集中と大陸移動,ミルーヌィ鉱山の反対側のDrake Passage に衝突し,南極大陸が移動して安定化.
◎(12) 何故地軸が公転面から23°傾いたか? ⇒そのDrake(高緯度) 位置へのCERRA 分裂片の衝突と推定した.
◎(13)何故,地球のコア偏芯(約10%) が起きたか? ⇒ CERRA 破片衝突, 地球マントルが欠損し, アイソスタシー.
(14)木星大赤斑の起源は? ⇒MI マントル片の衝突で熱伝導率の違いがソリトンを形成.cf.シューメーカーレビ彗星.
(15)外惑星はガス・氷なのに, 冥王星が何故シリケイト準惑星なのか? ⇒CERRAマントル破片のスイングバイで.