17:15 〜 18:30
[SGL38-P03] ハワイ島マウナロア火山歴史溶岩のアルゴン同位体研究
キーワード:K-Ar法、同位体分別、マウナロア火山
活火山の噴火履歴の復元には、K-Ar(Ar-Ar)法が広く使われている。しかし、広く利用されているにも関わらず、溶岩固結時にアルゴンの初生同位体比が完全にリセットされない、つまり完全に大気アルゴンと平衡にならないことがあるという重要な問題が存在する。この現象は時折報告されるが、それを支配する要因についての系統的な研究は未だ行われていない。したがって、本研究では系統的に採集した歴史溶岩の試料として、ハワイ島マウナロア火山の1935年溶岩流から採集した16試料を分析した。
アルゴン同位体測定は希ガス同位体質量分析計GVI-5400He、蛍光X線分析は多元素同時蛍光エックス線分析装置Simultix12 ((株)リガク)を使用し、測定はいずれもJAMSTECで行った。
分析の結果、多くの試料が大気のアルゴン同位体比よりも小さい38Ar/36Arを示した。これはおそらく、浅部での噴火に伴う過程だけでなく、深部におけるマグマの形成・移動過程を反映している可能性がある。気泡形成における残留アルゴンにより重い同位体に富んでいると予想されるにも関わらず、全ての試料が軽い同位体に富んでいることが明らかになった。さらに、溶岩の種類、中央火口からの距離、発泡度などのパラメーターとの間に、明瞭な相関を見出すことはできなかった。
アルゴン同位体測定は希ガス同位体質量分析計GVI-5400He、蛍光X線分析は多元素同時蛍光エックス線分析装置Simultix12 ((株)リガク)を使用し、測定はいずれもJAMSTECで行った。
分析の結果、多くの試料が大気のアルゴン同位体比よりも小さい38Ar/36Arを示した。これはおそらく、浅部での噴火に伴う過程だけでなく、深部におけるマグマの形成・移動過程を反映している可能性がある。気泡形成における残留アルゴンにより重い同位体に富んでいると予想されるにも関わらず、全ての試料が軽い同位体に富んでいることが明らかになった。さらに、溶岩の種類、中央火口からの距離、発泡度などのパラメーターとの間に、明瞭な相関を見出すことはできなかった。