日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GL 地質学

[S-GL39] 上総層群における下部ー中部更新統境界GSSP

2016年5月24日(火) 09:00 〜 10:30 201B (2F)

コンビーナ:*岡田 誠(茨城大学理学部理学科)、菅沼 悠介(国立極地研究所)、風岡 修(千葉県環境研究センター地質環境研究室)、座長:岡田 誠(茨城大学理学部理学科)

09:15 〜 09:30

[SGL39-02] 房総半島の第四紀テフラのジルコンLA-ICP-MS U-Pb年代

*伊藤 久敏1七山 太2中里 裕臣3 (1.財団法人電力中央研究所、2.国立研究開発法人産業技術総合研究所、3.国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)

キーワード:U-Pb年代測定、ジルコン、テフラ、松山-ブリュンヌ境界

房総半島に分布するいくつかの第四紀テフラを対象にLA-ICP-MSによるジルコンのU-Pb年代測定を行った.これらのテフラは第四紀更新世前期・中期境界の国際模式地の候補地とも関連があるため,正確な年代測定を行う意義は大きい.最近,房総半島に分布する松山-Brunhes(MB)境界直下のテフラを対象にSHRIMPによるジルコンのU-Pb年代として0.773 ± 0.007 Maという高精度な年代が報告された(Suganuma et al., 2015).今回,MB境界より上位にある二つのテフラ(Ks11,Ch2)から高精度なジルコンU-Pb年代として,Ks11から0.52 ± 0.04 Ma,Ch2から0.61 ± 0.02 Maが得られた.これらは層序から推定される年代とも一致していることから,信頼性の高い年代であると考えられるとともに,日本や世界の更新世の年代層序の確立にも貢献することが期待される.