17:15 〜 18:30
[SMP43-P05] SEM-EBSDで得られる結晶方位とSEM像方位の不一致について
キーワード:SEM-EBSD、結晶方位
近年、走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope: SEM)に、電子線後方散乱回折(electron back-scattering diffraction: EBSD)検出器を取り付けることにより、SEMの中で特定の微小領域から結晶方位などの結晶学的な情報を得、さらには岩石を構成する鉱物の結晶方位の配向性をえることが盛んに行われている。
このSEM-EBSDを用いて、EBSP (electron back-scattering diffraction pattern) を取得し解析する場合、EBSP取得に関しては購入メーカーが提供するソフトを使い、解析に関してはメーカー既存のソフトや国内外の研究室が提供している解析ソフトを使用することが多い。一方、メーカー提供のソフトについては、El-Dasher et al. (2009)などによって、得られるSEM像とEBSPから得られた結晶方位との関係が正しくないという、問題が指摘されている。しかし、こうした指摘について周知されていない。そこで、我々の研究室において、SEM像とEBSPから得られた結晶方位との関係について、改めて検証を行ったので、その結果について報告を行う。
当研究室で用いたSEM-EBSDシステムは、SEMが日本電子株式会社製JEM-7001F、EBSD検出器がオックスフォード・インストゥルメンツ株式会社製HKL channel 5 である。
試料としては、Siおよびコランダム単結晶を用いた。ここで、Si単結晶は少し傾斜させて試料台にセットすることにより、a軸方向の向きとSEM像との関係がわかるようにした。この時用いる試料はSi結晶のような立方晶系ではなく、コランダムや石英など、c軸が分かる試料を用いると、SEM像と結晶方位の関係が非常にわかりやすくなる。
我々の研究室において、検出器メーカー提供のソフトHKL Channerl 5を用いて取得・解析を行ったところ、SEM像を180度回転させることにより、得られたSEM像とEBSPから得られた結晶方位とが正しくなることが分かった。この結果は、El-Dasher et al. (2009)にて報告されている結果と同じである。
発表当日は、他のSEMとの組み合わせについても発表する予定である。
このSEM-EBSDを用いて、EBSP (electron back-scattering diffraction pattern) を取得し解析する場合、EBSP取得に関しては購入メーカーが提供するソフトを使い、解析に関してはメーカー既存のソフトや国内外の研究室が提供している解析ソフトを使用することが多い。一方、メーカー提供のソフトについては、El-Dasher et al. (2009)などによって、得られるSEM像とEBSPから得られた結晶方位との関係が正しくないという、問題が指摘されている。しかし、こうした指摘について周知されていない。そこで、我々の研究室において、SEM像とEBSPから得られた結晶方位との関係について、改めて検証を行ったので、その結果について報告を行う。
当研究室で用いたSEM-EBSDシステムは、SEMが日本電子株式会社製JEM-7001F、EBSD検出器がオックスフォード・インストゥルメンツ株式会社製HKL channel 5 である。
試料としては、Siおよびコランダム単結晶を用いた。ここで、Si単結晶は少し傾斜させて試料台にセットすることにより、a軸方向の向きとSEM像との関係がわかるようにした。この時用いる試料はSi結晶のような立方晶系ではなく、コランダムや石英など、c軸が分かる試料を用いると、SEM像と結晶方位の関係が非常にわかりやすくなる。
我々の研究室において、検出器メーカー提供のソフトHKL Channerl 5を用いて取得・解析を行ったところ、SEM像を180度回転させることにより、得られたSEM像とEBSPから得られた結晶方位とが正しくなることが分かった。この結果は、El-Dasher et al. (2009)にて報告されている結果と同じである。
発表当日は、他のSEMとの組み合わせについても発表する予定である。