日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

インターナショナルセッション(ポスター発表)

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS01] Earthquake early warning developments around the world

2016年5月22日(日) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*田島 文子(University of California at Irvine)、山田 真澄(京都大学防災研究所)、Margaret Hellweg(Berkeley Seismological Lab)、Richard Allen(University of California Berkeley)、干場 充之(気象研究所)、Douglas Given(USGS Pasadena Field Office)

17:15 〜 18:30

[SSS01-P04] Improvement of the P-wave detection method in real time by using kurtosis statistics

*石田 寛史1山田 真澄2 (1.京都大学大学院理学研究科、2.京都大学防災研究所)

キーワード:kurtosis, P-wave picking, earthquake early warning

現在の緊急地震速報では、主にSTA/LTA(Allen,1978)を用いてP波検知を行って
いるが、ノイズに強くロバストな検知方法として、kurtosisを用いたP波ピッキ
ングが近年提案された(Saragiotis et al,2002)。この手法は、オフラインで
の処理を想定しており、緊急地震速報に利用するにはリアルタイム処理が必要で
ある。そこで本手法を工夫してリアルタイム処理を可能にし、使用するデータ長
やノイズ除去について検討を行った。また2005年4月から2015年7月まで
の期間において震度5強以上を記録した地震の中から、震源距離が
100km以内の観測点の記録に対して、STA/LTA(Allen,1978)と
kurtosis(Baillard et al,2014)とkurtosis(realtime)の3つの方法によるP波
検知を行った。こうして得られた各アルゴリズムのP波到達時刻とトリガ時刻
を、波形を目で見て手動で決定したP波到達時刻と比較し、
kurtosis(realtime)の性能を検証した。
その結果、地震波検知手法にkurtosisを用いると、従来の方法よりも地震波を早く検知でき、かつ地震波到達時刻をより正確に決定できることがわかった。
このことよりkurtosisを用いて地震波検知する手法を緊急地震速報に適応すると、従来の方法よりもはやく速報を得ることが可能となることがわかった。