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[SSS24-03] DEMETER衛星で検知された地震先行的電離圏擾乱発生後の地震発生率
キーワード:地震、 DEMETER衛星、 電離圏
地震に関連する電磁気現象として大気圏および電離圏擾乱は1980年代後半ごろから指摘されてきた。これらの擾乱は、比較的大きなマグニチュードの地震前でも変動が微小であるので、先行現象の存否を示すには大量なイベント収集による統計的な評価が求められる。その意味で2004年6月にフランスCNESによって地震電磁気衛星DEMETERが打ち上げられ、地震に先行する夜間VLF帯電磁波強度減少現象がM4.8以上の地震、震央距離が500 km以内、地震発生前4時間前に見いだされた。本研究では、これらの統計的な検証の別解析で得られた結果を利用して、この現象の地震との相関を調べた。相関は、予知率・適中率を算出する手法で得た。適中率とはある条件(期間や範囲、マグニチュードなど)の地震すべてに対するある異常が発生し決められたリードタイム内に発生した地震数の割合である。一方、予知率は全異常数に対する地震を伴った異常数の割合となる。言い換えれば、適中率は異常が現れる地震の割合で、予知率は地震が発生する異常の割合である。それぞれを以下の方法で算出した。DEMETERが夜間に地球の半球を南から北へ通過する半周の軌道を1軌道と定義する。Němecらの報告したように地震発生4時間前以内に震央から330km以内上空の軌道データについて重ね合わせを行い、震央付近で電場強度の減少していることを確認できた。そのような変化を示すものを異常な軌道データと考えることができる。その異常なデータと地震発生4時間前以内で震央から330km以内上空のすべての軌道データについて相関をとり、相関の良さの程度に応じてそれぞれ適中率を計算した。予知率は、地震とはは関係なくDEMETERの運用期間中のすべてのデータそれぞれを前述した異常な軌道データと相関をとり、相関の良さの程度に応じて算出された。地震先行現象として有用なものは、適中率予知率ともに高いものである。さらに、適中率はある閾値が高くなるにつれて低くなり、予知率はある閾値が高くなるにつれて高くなることが望ましい。つまり今回の場合閾値の高さが相関の良さに対応している。本講演では適中率と予知率について算出し、この先行現象についての地震予知の可能性を考える。