日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS24] 地震予知・予測

2016年5月26日(木) 15:30 〜 16:45 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*中島 淳一(東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻)

15:30 〜 16:45

[SSS24-P02] 昭和南海地震の直前に目撃された異常現象はどのくらいの頻度で出現するのか(1)

*梅田 康弘1板場 智史1 (1.産業技術総合研究所)

キーワード:1946年南海地震、目撃証言

1946年南海地震(以下,本震)の直前には,井戸水の減少や海水位の変化などの異常現象が目撃されている.井戸水は約2mの低下,海水位は最大で3mの低下,副振動については約0.5m変化が,紀伊半島から四国の太平洋沿岸部の24か所で目撃されている.なお,本震前の天候は穏やかだった.目撃された異常現象は本震の直前だけに現れたのか? それとも時々現れる現象なのか?本震前に異常現象が目撃された場所若しくはその近傍における最近の近代的観測データを基に,本震直前に目撃されたのと同様の現象が,どのくらいの頻度で出現するのかを調べた.産総研では,本震前に水位低下があったと報告されている3か所の井戸において,水位の連続観測を行っているが,最近の2年間のデータを見る限り,2m以上の急な井戸水の減少は無かった.海水位の低下については,気象庁のウエブサイトから串本,室戸岬,高知の潮位偏差をチェックしたところ,2003年から2014年の間に,‐2mを超える潮位の低下は一度も無かった.副振動については気象庁のウエブサイトから室戸岬について調べたところ,2006年から2014年までに0.5m以上の副振動は17回あったが,いずれも気象に起因するものであった.今回の調査の範囲内では,本震前に目撃された異常現象と同様の現象は見つからなかった.