15:30 〜 16:45
[SSS24-P04] 地震予知・予測と歴史津波(「仙台平野の歴史津波」・飯沼勇義著を主に)
キーワード:飯沼勇義、仙台平野の歴史津波、地震予知、陳情書、東北大震災、役所
Ⅰ.まえがき 1995年出版の歴史研究家・飯沼勇義著(Refer to a historian Yuugi IINUMA)「仙台平野の歴史津波」を取り上げ、この本の意義と2011年大震災による大津波及びその復興(2016年現在。a point in 2016)に関する著者の若干の感想を含めて述べる。最後に地震予知についての考えを述べたい。
本書の要点. 飯沼勇義・佐藤俊光両氏は「陳情書」と「仙台平野地方(仙台地方)の津波防災について」を仙台市長 藤井黎殿に1994年9月30日付、宮城県知事 浅野史郎殿に1995年9月付で提出。
Ⅱ.根拠. 歴史津波の研究の結果、海岸部で5m以上の波高の記録の有るのは、有史以来、約40件。その中で、30m以上の巨大津波は8回。8回のうち、東北の三陸沿岸又は仙台沿岸を襲ったもの。イ.869年(貞観津波)ロ.1611年(慶長津波)ハ.1896(明29)(明治三陸津波)ニ.1933年(昭8)(昭和三陸津波)ホ.1960年(昭35)(チリ地震津波)の5つ。
他に最近貞観津波より約170年前、700年頃、仙台郡山遺跡まで及びし巨大津波跡有。これら巨大津波は何度もくり返し発生(Fig.1)してきた。巨大津波襲来には早急に備えるべき必要性を痛感した。詳細は同書参照。
その他、著者は種々広範囲に深く研究され、防災の考え方にまで詳しく提言されている。日本は現在、この様な在野の有能な研究者の提言を取り上げないこと等にも苦言を述べておられる。郡山遺跡調査などは、それなりの期間がかなりの人と費用と時間をかけて調査研究している。何のための調査研究であるか?多賀城跡に行くと、ボランティアの方達がかなり前から、貞観津波を説明し、この政庁直下まで水が来たと説明がある。何のための調査研究かと、税金の無駄遣いと人命軽視を挙げたら限りがないと筆者も同感。
Ⅲ.読後感 飯沼氏の述べている防潮堤について一言。幸か不幸か、1982年(昭57年)発行の「宮城県百科事典」の”三陸海岸防潮堤”の項に、西澤勝著で「牡鹿半島より北の三陸海岸の防潮堤は津波対策、南の仙台湾沿岸は高潮対策のため」とある。これは当時の国(建設者)の指針で飯沼氏の述べる仙台平野沿岸の歴史津波の考慮はなされていない。建物の例を―。仙台は傾いている建造物を探すのは、大震災後簡単であるが、問題なのは、最近竣工したばかりの公共施設やビル建造物があることである。これと同様の考えと思って良いと思われる首都圏。首都東京を中心に横浜等京浜工業地帯を包む関東平野。下は地下深く、どんどん二重、三重、幾重にも深く掘り下げ、天上はどんどん天高くビルやマンションを。東大地震研の震源分布を見てもらいたい。大きなトラフが関東平野にいくつ集まっているか。沿岸は、液状化などなんのその、所狭ましと埋立て、港を造り、工場を造る。これで、大地震が来て、なんともないと、立案、計画、施行しているとは霞ヶ関の方には白をきる気か。判っていてやっているから始末が悪い。”悪質”の一言。人命なんぞ糞食らえだ。若者に期待するしかない。子供は未来の宝者。若者の成長の芽を摘む大人が多すぎる。人命を大切にする志を最も必要としている時代。自然は宇宙(地球)の宝物。
Ⅳ.地震予知について. 台南市の16階建てマンション倒壊で、中にドラム缶がたくさんとある。手抜きでないよな!チベットかの話で、材料がないから、あるものを工夫して使う話。しかし、16階の高層ビルにというのは構造力学を無視した無知というしかない。予知に戻ると、中国で盛んな、漢方薬思想が基と思われる動植物までも活用した予知、地電流、地磁気、むろん地下水その他種々。日本は世界トップの海底地震計も含め、K-NET、KIK-NET、S-NETその他、一般公開されるすばらしい観測網を持つ。私はしかし、力学的には限界を感ずる。地球惑星科学的な考えが大事と考える。地磁気が最も有力と考えており、かなりの精度までの可能性有りと。
Reference.
(1)YUUGI IINUMA: Historical Tsunami of Sendai Plain. 1995
本書の要点. 飯沼勇義・佐藤俊光両氏は「陳情書」と「仙台平野地方(仙台地方)の津波防災について」を仙台市長 藤井黎殿に1994年9月30日付、宮城県知事 浅野史郎殿に1995年9月付で提出。
Ⅱ.根拠. 歴史津波の研究の結果、海岸部で5m以上の波高の記録の有るのは、有史以来、約40件。その中で、30m以上の巨大津波は8回。8回のうち、東北の三陸沿岸又は仙台沿岸を襲ったもの。イ.869年(貞観津波)ロ.1611年(慶長津波)ハ.1896(明29)(明治三陸津波)ニ.1933年(昭8)(昭和三陸津波)ホ.1960年(昭35)(チリ地震津波)の5つ。
他に最近貞観津波より約170年前、700年頃、仙台郡山遺跡まで及びし巨大津波跡有。これら巨大津波は何度もくり返し発生(Fig.1)してきた。巨大津波襲来には早急に備えるべき必要性を痛感した。詳細は同書参照。
その他、著者は種々広範囲に深く研究され、防災の考え方にまで詳しく提言されている。日本は現在、この様な在野の有能な研究者の提言を取り上げないこと等にも苦言を述べておられる。郡山遺跡調査などは、それなりの期間がかなりの人と費用と時間をかけて調査研究している。何のための調査研究であるか?多賀城跡に行くと、ボランティアの方達がかなり前から、貞観津波を説明し、この政庁直下まで水が来たと説明がある。何のための調査研究かと、税金の無駄遣いと人命軽視を挙げたら限りがないと筆者も同感。
Ⅲ.読後感 飯沼氏の述べている防潮堤について一言。幸か不幸か、1982年(昭57年)発行の「宮城県百科事典」の”三陸海岸防潮堤”の項に、西澤勝著で「牡鹿半島より北の三陸海岸の防潮堤は津波対策、南の仙台湾沿岸は高潮対策のため」とある。これは当時の国(建設者)の指針で飯沼氏の述べる仙台平野沿岸の歴史津波の考慮はなされていない。建物の例を―。仙台は傾いている建造物を探すのは、大震災後簡単であるが、問題なのは、最近竣工したばかりの公共施設やビル建造物があることである。これと同様の考えと思って良いと思われる首都圏。首都東京を中心に横浜等京浜工業地帯を包む関東平野。下は地下深く、どんどん二重、三重、幾重にも深く掘り下げ、天上はどんどん天高くビルやマンションを。東大地震研の震源分布を見てもらいたい。大きなトラフが関東平野にいくつ集まっているか。沿岸は、液状化などなんのその、所狭ましと埋立て、港を造り、工場を造る。これで、大地震が来て、なんともないと、立案、計画、施行しているとは霞ヶ関の方には白をきる気か。判っていてやっているから始末が悪い。”悪質”の一言。人命なんぞ糞食らえだ。若者に期待するしかない。子供は未来の宝者。若者の成長の芽を摘む大人が多すぎる。人命を大切にする志を最も必要としている時代。自然は宇宙(地球)の宝物。
Ⅳ.地震予知について. 台南市の16階建てマンション倒壊で、中にドラム缶がたくさんとある。手抜きでないよな!チベットかの話で、材料がないから、あるものを工夫して使う話。しかし、16階の高層ビルにというのは構造力学を無視した無知というしかない。予知に戻ると、中国で盛んな、漢方薬思想が基と思われる動植物までも活用した予知、地電流、地磁気、むろん地下水その他種々。日本は世界トップの海底地震計も含め、K-NET、KIK-NET、S-NETその他、一般公開されるすばらしい観測網を持つ。私はしかし、力学的には限界を感ずる。地球惑星科学的な考えが大事と考える。地磁気が最も有力と考えており、かなりの精度までの可能性有りと。
Reference.
(1)YUUGI IINUMA: Historical Tsunami of Sendai Plain. 1995