[S-SS25] 強震動・地震災害

[SSS25-P20] 関東平野における長周期地震動の震源方位特性とその時系列変動

*野寄 真徳¹、津野 靖士²、山中 浩明³、地元 孝輔³ (1.前東京工業大学大学院、2.鉄道総合技術研究所、3.東京工業大学大学院)

キーワード：長周期地震動、震源方位、サイト増幅特性、関東平野

2011年東北地方太平洋沖地震の際，関東平野全域で長周期地震動が観測され，超高層建物にも大きな揺れが生じた．その本震や余震等のデータ分析により，関東平野で観測される長周期地震動の増幅特性が震源の方位によって異なることが報告されている(湯沢・南雲，2012；津野ほか，2012)．津野ほか(2012)は，東北地方太平洋沖地震とその余震記録の解析を行っており，地中と地表で観測された地震記録の速度応答スペクトル比から算出されたサイト増幅特性は，周期3秒以上の地震動に対して震源の位置に依存すると報告している．
著者らは，関東平野周辺で発生した10地震の観測記録と地震動シミュレーションの結果を用いて，関東平野における長周期地震動の震源方位特性について検討(Noyori et al., 2015)を行ってきた．その結果，関東平野中心部の観測記録において，関東平野から北西の新潟方面または南西方向の静岡方面に震源が位置する地震に対して周期3秒以上の長周期地震動が卓越しやすく，地震動シミュレーションの結果においてもこの傾向が得られることが分かった． 本報告では，関東平野で観測されたKiK-netの記録を一定時刻ごとに区切り地表/地中の速度応答スペクトル比を求め，震源方位特性の時系列変動について検討をした．