日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS30] 地震活動

2016年5月25日(水) 09:00 〜 10:30 106 (1F)

コンビーナ:*林 能成(関西大学社会安全学部)、座長:武村 俊介(防災科学技術研究所)、大見 士朗(京都大学防災研究所地震防災研究部門)

09:45 〜 10:00

[SSS30-04] 震源域データの作成-世界版-

*石川 有三1 (1.独立行政法人 産業技術研究所 活断層・火山研究部門)

キーワード:震源域データ、巨大地震

1.はじめに
震源分布図を描く場合、ほとんど簡単なシンボルで震源を表していた。しかし、それでは規模の大きな地震については正確な広がりについて誤解を与えてしまう。そこで石川(2014)は、より正確な震源域データを作るため、一ヶ月間の余震分布域を活用してそれで震源域の代用とした。この方法を利用して環太平洋地域で発生した巨大地震の震源域データの作成した。このデータは、Takarada et al.(2014)でも利用し、それは現在印刷中の「東アジア地域地震火山災害図」(宝田ほか、2016)に活用されている。今回は、これを領域を拡大して世界の大地震に対して作成した。
2.データの作成
対象とした地震は、環太平洋版と同じく1970年以降のPDEカタログでマグニチュード7.5以上の深さ100km以浅のもの。それ以前では先に作成した、1938年アラスカ地震、1944年東南海地震、1946年南海地震、1952年カムチャッカ地震、1957年アリューシャン(アンドレアノフ島)地震、1960年チリ地震、1964年アラスカ地震、1965年アリューシャン(ラット島)地震、1968年十勝沖地震の他に、1905年インド北部地震、1920年中国・海原地震、1923年関東地震、1927年中国・古浪地震、1934年ビホール地震、1950年アッサム地震、1970年中国・通海地震、1976年中国・唐山地震、2015年ネパール地震などを追加した。
基本的に本震発生日から一ヶ月間の余震分布を囲むような領域を選んだ。領域を囲むときSeis-PC(中村・石川,2005)の領域切り出し機能を使ってポイントの緯度・経度を求めた。また、一ヶ月以内の大余震が発生していた場合、メカニズムが異なり余震分布が空間的に離れていた場合は、その大余震は別の誘発された地震として扱い、余震域には含めなかった。古い地震で余震分布の求まらないものは、震度分布から推定した。
ここで作成した震源領域データは、産総研のサーバーで公開する予定である。
参考文献
石川有三,2014,環太平洋地域で発生した巨大地震の震源域データの作成,日本地球惑星科学連合大会,H-DS28-02.
中村浩二・石川有三,2005,卓上の地震活動解析 SEIS-PC for Windowsのこの8年,日本地震学会2005年秋季大会講演予稿集 P153.
Shinji Takarada , Joel C. Bandibas , Yuzo Ishikawa , Yasuto Kuwahara , Naoji Koizumi , Toshihiro Uchida , Akira Takada , Norio Shigematsu , Ryuta Furukawa , Tadashi Maruyama , Ryosuke Ando ,and Junko Hara,2014,
Global Earthquake and volcanic eruption risk management activities, volcanic hazard assessment support system and Asia-Pacific region hazard mapping project in G-EVER, EPISODES、37、4、321-328
宝田晋治ほか,2016,東アジア地域地震火山災害図,印刷中(大会時、産総研ブースにて公開予定).