14:30 〜 14:45
[SSS33-04] 徳島市を対象とした、津波による流入水の堤外排水のシミュレーション
キーワード:排水、津波
近い将来、南海トラフを震源とする地震が起こると言われており、徳島ではこの地震による津波の被害が懸念されている。津波による直接的な被害に関しては津波のシミュレーションも行われ、ハード面ソフト面様々な対策が実行されている。しかし、徳島市には土地が低く、周囲を堤防で囲っている地域がいくつかあり、こういった地域では津波によって流入した水が堤内地に留まることが予期され、その後の復興の妨げとなる可能性が高い。この湛水がどのように堤外へ流れていくのかの想定は不十分であるため、シミュレーションを行い、事前の対策を考えることは重要である。
シミュレーションの手順は以下の様である。まず、ある地震を入力として非線形浅水波理論によって対象地域の堤防までの津波の計算を行う。次に、その波高が堤防を越えた時、越流公式(本間,1940)によって堤内に水を浸入させ、堤内も津波と同様に2次元の非線形浅水波理論で計算する。しかし、堤内では、地表を流れる水だけでなく、開水路、下水路、排水ポンプをモデル化し、それらによる排水も同時に計算する。なお、対象地域の内水の計算にはAFREL(Application of Flood Risk EvaLuation)を用いた。
内閣府想定のケース3を入力とした場合、徳島市沖洲地区では、地震発生後約40分後に第一波が到達し、その後約42時間で、最大で浸水した面積の90.6%が排水されるが、残りは窪地に溜り、現モデルでは排水しきれない。また、同地域には全部で12の排水ポンプが存在するが、このうち排水能力の高い上位3つを止めて計算すると、72時間たっても浸水面積の55.2%しか排水されないことがわかった。この地域の排水ポンプは雨による湛水の排水を目的として作られているため、海水の塩分や停電への対策が不十分である可能性があり、今後さらなるシミュレーションの実施とともに、対策についても検討していく。
シミュレーションの手順は以下の様である。まず、ある地震を入力として非線形浅水波理論によって対象地域の堤防までの津波の計算を行う。次に、その波高が堤防を越えた時、越流公式(本間,1940)によって堤内に水を浸入させ、堤内も津波と同様に2次元の非線形浅水波理論で計算する。しかし、堤内では、地表を流れる水だけでなく、開水路、下水路、排水ポンプをモデル化し、それらによる排水も同時に計算する。なお、対象地域の内水の計算にはAFREL(Application of Flood Risk EvaLuation)を用いた。
内閣府想定のケース3を入力とした場合、徳島市沖洲地区では、地震発生後約40分後に第一波が到達し、その後約42時間で、最大で浸水した面積の90.6%が排水されるが、残りは窪地に溜り、現モデルでは排水しきれない。また、同地域には全部で12の排水ポンプが存在するが、このうち排水能力の高い上位3つを止めて計算すると、72時間たっても浸水面積の55.2%しか排水されないことがわかった。この地域の排水ポンプは雨による湛水の排水を目的として作られているため、海水の塩分や停電への対策が不十分である可能性があり、今後さらなるシミュレーションの実施とともに、対策についても検討していく。