日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-TT 計測技術・研究手法

[S-TT52] 空中からの地球計測とモニタリング

2016年5月23日(月) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*楠本 成寿(富山大学大学院理工学研究部(理学))、大熊 茂雄(産業技術総合研究所地質情報研究部門)、小山 崇夫(東京大学地震研究所)、光畑 裕司(独立行政法人 産業技術総合研究所)

17:15 〜 18:30

[STT52-P01] 単発エンジン航空機搭載型放射伝達スペクトルスキャナ(ARTS-SE)の試験観測飛行

*實渕 哲也1 (1.防災科学技術研究所)

キーワード:航空機搭載型超多波長画像分光装置、火山観測、赤外リモートセンシング

防災科研は2015年6月に単発エンジン航空機搭載型放射伝達スペクトルスキャナ(the Airborne Radiative Transfer Spectral Scanner for a single-engine aircraft (ARTS-SE))を開発した.ARTS-SEの搭載航空機は単発エンジン機であるセスナ208である.
ARTS-SEは2つのイメージングユニットから構成される.それらのユニットは,push-broom方式のイメージングスペクトロメーターとカメラシステムからなる.ARTS-SEのpush-broom方式のイメージングスペクトロメーターユニットは,可視・近赤外光域の380~1,100nmと赤外光域の8,000~11,500nmの波長域を観測する.このユニットは,2つのセンサーヘッドユニット(SHU)から構成される.それらは可視・近赤外(VNIR)SHUと赤外(LWIR)SHUよりなる.これらのSHUは,我々が先に製作したARTSのSHUを改造し実現した.ARTS-SEのカメラユニットは4つのカメラで構成される.その2つは可視カメラ,他の2つは熱赤外カメラである.
ARTS-SEの観測情報を火山観測等に活用するためには,ARTS-SEの試験観測を実施し,その性能を評価することが重要である.そのため防災科研では,性能評価のための試験観測として,幾何補正精度評価の為のバンドル調整観測飛行(愛知県)および火山試験観測(浅間山,箱根山(大涌谷))を2015年の晩秋に実施した.浅間山と箱根山(大涌谷)の試験観測では地熱活動を検出できた.我々は現在,バンドル調整観測飛行のデータを解析し,観測データの幾何補正に関するパラメータ導出や精度評価を実施中である.