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[SVC47-08] 桜島における地震計アレイ観測でとらえた2015/8/15噴火未遂
キーワード:桜島、マグマ貫入、火山性地震
(研)防災科学技術研究所では、桜島の2か所(北岳北側・黒神)において、それぞれ1Hz上下動地震計9台による地震計アレイおよび空振計1台を2015年3月より設置し、200Hzサンプリングで現地収録を行っている。これらのデータから、2015年8月15日のマグマ貫入に伴う地震波形の解析を行った。観測された波形の特徴として下記の点が挙げられる。1)活動が顕著になった8/15 7時台の地震活動は北岳北側アレイでのP波到達が黒神アレイよりも0.2秒程度早い。6時台は北岳北側で顕著だが黒神アレイではきわめて小さい。2)おおよその震央は南岳~中岳の東方。3)北岳北側アレイは全点でコヒーレントな波形となっているのに対し、黒神アレイは鍋山東側(SKE2-4)とそれ以外(SKE5-9)の観測点で波形が異なる(SKE1は欠測)。4) 8/15 7時台と12時台の波形を比較すると後者では低周波が卓越している。5)火山性地震(VT)では、初動付近は低周波がやや卓越する。その後高周波が冗長するイベント、あるいは冗長しないイベントがある。6)低周波地震(LP)では、初動前に高周波の微小な振動が先駆する。
また、観測された波形の相関係数の時間変化を求めたところ、下記のことが分かった。地震波形の相関は3つの時間帯、すなわち、A:6時頃~10時半頃、B:10時半~12時過ぎ、C:12時過ぎ~24時に分類され、A,B,Cの3つの期間にまたがる相似地震はない。Aの期間では多数の相似地震が発生しているが、Bの期間ではほぼ相似地震が発生していない。また、Cの期間では、時間が大きく離れているイベント同士でも相似のものがある。このことからAの期間ではマグマ貫入の初期フェーズにおける破壊が同様のスリップを繰り返しながら進行していること、Bの期間ではランダムな破壊が起こっていること、Cの期間では貫入したマグマの周辺部のいろいろな場所でそれぞれ同様なスリップを繰り返しているものと推測される。
また、観測された波形の相関係数の時間変化を求めたところ、下記のことが分かった。地震波形の相関は3つの時間帯、すなわち、A:6時頃~10時半頃、B:10時半~12時過ぎ、C:12時過ぎ~24時に分類され、A,B,Cの3つの期間にまたがる相似地震はない。Aの期間では多数の相似地震が発生しているが、Bの期間ではほぼ相似地震が発生していない。また、Cの期間では、時間が大きく離れているイベント同士でも相似のものがある。このことからAの期間ではマグマ貫入の初期フェーズにおける破壊が同様のスリップを繰り返しながら進行していること、Bの期間ではランダムな破壊が起こっていること、Cの期間では貫入したマグマの周辺部のいろいろな場所でそれぞれ同様なスリップを繰り返しているものと推測される。