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[SVC47-12] 2015年7月に検出された鹿児島湾湾奥部若尊海底火山における二酸化炭素フラックスの急増
キーワード:若尊海底火山、二酸化炭素フラックス、桜島火山活動
鹿児島湾湾奥部の海底火山「若尊」の二酸化炭素フラックスを2007年以降観測している。この間、二酸化炭素フラックスは平均160~360トン/日で推移していたが、2015年7月の観測では500トン/日に達する急増が見られた。この翌月の2015年8月には桜島火山の直下で火山性微動が観測され大規模噴火の可能性が高まった。この火山性微動は2週間程度で収まり、12月の観測では若尊の二酸化炭素フラックスも2014年以前のレベルに戻っていた。若尊火山のある姶良カルデラの下には若尊に揮発性火山物質を供給しているマグマ溜まりがあると考えられており、このマグマ溜まりと桜島直下にあるマグマ溜まりは繋がっているとされている。火山性微動は桜島直下のマグマ溜まりからのマグマの上昇に起因すると考えられたが、若尊の二酸化炭素フラックスの急な増加もこのマグマ活動と関連していたのかも知れない。