日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-VC 火山学

[S-VC47] 活動的火山

2016年5月24日(火) 15:30 〜 17:00 コンベンションホールB (2F)

コンビーナ:*青木 陽介(東京大学地震研究所)、前田 裕太(名古屋大学)、座長:篠原 宏志(産業技術総合研究所活断層・火山研究部門)、為栗 健(京都大学防災研究所附属火山活動研究センター)

16:45 〜 17:00

[SVC47-12] 2015年7月に検出された鹿児島湾湾奥部若尊海底火山における二酸化炭素フラックスの急増

*山中 寿朗1金銅 和菜1小林 真理1野口 拓郎2岡村 慶3山本 智子4角皆 潤5石橋 純一郎6 (1.岡山大学大学院自然科学研究科、2.高知大学教育研究部総合科学系、3.高知大学海洋コア総合研究センター、4.鹿児島大学水産学部、5.名古屋大学大学院環境学研究科、6.九州大学大学院理学研究院)

キーワード:若尊海底火山、二酸化炭素フラックス、桜島火山活動

鹿児島湾湾奥部の海底火山「若尊」の二酸化炭素フラックスを2007年以降観測している。この間、二酸化炭素フラックスは平均160~360トン/日で推移していたが、2015年7月の観測では500トン/日に達する急増が見られた。この翌月の2015年8月には桜島火山の直下で火山性微動が観測され大規模噴火の可能性が高まった。この火山性微動は2週間程度で収まり、12月の観測では若尊の二酸化炭素フラックスも2014年以前のレベルに戻っていた。若尊火山のある姶良カルデラの下には若尊に揮発性火山物質を供給しているマグマ溜まりがあると考えられており、このマグマ溜まりと桜島直下にあるマグマ溜まりは繋がっているとされている。火山性微動は桜島直下のマグマ溜まりからのマグマの上昇に起因すると考えられたが、若尊の二酸化炭素フラックスの急な増加もこのマグマ活動と関連していたのかも知れない。