日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-VC 火山学

[S-VC47] 活動的火山

2016年5月24日(火) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*青木 陽介(東京大学地震研究所)、前田 裕太(名古屋大学)

17:15 〜 18:30

[SVC47-P42] ALOS-2/PALSAR-2差分干渉解析による国内の活火山周辺における地殻変動

*安藤 忍1兒玉 篤郎2鬼澤 真也2奥山 哲3 (1.気象研究所 地震津波研究部、2.気象庁、3.気象研究所 火山研究部)

キーワード:ALOS-2/PALSAR-2、干渉SAR、国内活火山

2014年5月24日に,陸域観測技術衛星「だいち2号(ALOS-2)」が打ち上げられた.衛星に搭載された合成開口レーダ(PALSAR-2)は,先代の「だいち1号(ALOS)」同様、地表面の状態把握に優れたLバンド波長帯を有しており,干渉性が高く面的な地殻変動観測に有効である.また,ALOS/PALSARよりも高分解センサであり,回帰日数も14日と格段に短くなったため,より高解像度のデータを高頻度で取得・解析でき,防災・減災に役立つと期待されている.打ち上げ後約半年間の校正期間を経て,2014年11月25日にデータ公開された.現在のALOS-2/PALSAR-2観測計画は,引き続きベースマップの蓄積を重視しているが,観測開始から2年近くが経過し,活火山周辺では比較的アーカイブデータが蓄積されてきた.
気象研究所では,国内外の活火山周辺及び地震発生前後の地殻変動についてALOS-2/PALSAR-2のデータを用いた干渉解析や強度画像比較を行っている.得られた解析結果は,それぞれ本庁の火山活動評価や地震震源過程解析評価のツールとして利用されている.本発表では,気象研究所において解析された国内の活火山周辺におけるALOS-2/PALSAR-2の解析結果について紹介する.
本解析で用いたPALSAR-2データの一部は,火山噴火予知連絡会が中心となって進めている防災利用実証実験(火山WG)に基づいて観測・提供されたものである.また,一部はPIXELで共有しているものであり,宇宙航空研究開発機構(JAXA)と東京大学地震研究所との共同研究契約によりJAXAから提供されたものである.PALSAR-2に関する原初データの所有権はJAXAにある.なお解析には,防災科学技術研究所の小澤拓氏により開発されたRINC(Ver0.36)を使用させていただいた.なお,干渉画像の処理過程においては,国土地理院発行の数値地図10mメッシュ(標高)を元にしたDEHMを使用し,地図の描画にはGMTを用いた.ここに記してお礼申し上げます.