日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 U (ユニオン) » ユニオン

[U-05] Future Earth - 持続可能な地球へ向けた統合的研究

2016年5月22日(日) 13:45 〜 15:15 301B (3F)

コンビーナ:*氷見山 幸夫(北海道教育大学名誉教授)、岡本 耕平(名古屋大学大学院環境学研究科地理学講座)、安成 哲三(総合地球環境学研究所)、植松 光夫(東京大学大気海洋研究所)、谷口 真人(総合地球環境学研究所)、座長:谷口 真人(総合地球環境学研究所)

14:15 〜 14:30

[U05-03] IYGU(国際地球理解年)はFuture Earth にどのように貢献できるか?

★招待講演

*氷見山 幸夫1 (1.北海道教育大学名誉教授)

キーワード:IYGU、フューチャー・アース、地球環境研究

世界の地球環境研究はFuture Earth計画の下で抜本的に再編成されつつある。地球の営みと地球表層に生起する地人関係や自然災害を含む諸事象を扱う地球惑星科学にとって、Future Earth 計画の中でやるべきことは多岐にわたる。ここではFuture EarthのパートナーであるIYGU (International Year of Global Understanding, 国際地球理解年) を通したFuture Earth への貢献を取り上げる。
IYGUはIGU(国際地理学連合)が提唱し、ICSU (国際科学会議) 、ISSC (国際社会科学評議会)、CIPSH (国際哲学人文学会議) の支援を受けて実施される、2016年を中心年とした国際年である。その目的は、人々の身近な行動がどう地球規模の影響をもつかについての理解を深め、気候変化、大規模自然災害、食糧安全保障、大規模人口移動に関る軋轢などの深刻な地球規模の問題の解決に資することである。
ICSU前会長でノーベル賞受賞者でもあるユアン・ツェー・リー博士は、「持続可能な発展はグローバルな挑戦だが、それを実現するには、私たちは日々の暮しや消費行動、仕事などを見直す必要がある。気候変化に関する国際的な取り決めは上からの活動だが、IYGUは各人のローカルな行動がもつグローバルな意味を考え改善する、下からのチャレンジである。この上と下からの取組みは、人類が直面している未曽有の危機を私たちが克服する可能性を高める」と述べ、Future Earth を補完する活動として、IYGUに強い期待感を示している。
本発表では、IYGUの研究プロジェクト、教育プログラム、情報整備などの活動がその期待にどう応えることができるのかを、地球惑星科学の立場から考える。