日本地球惑星科学連合2016年大会

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口頭発表

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[U-06] 大型研究計画-マスタープラン2017とその先を見据えて

2016年5月24日(火) 15:30 〜 16:55 102 (1F)

コンビーナ:*大久保 修平(東京大学地震研究所)、藤井 良一(名古屋大学)、永原 裕子(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、津田 敏隆(京都大学生存圏研究所)、木村 学(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、座長:大久保 修平(東京大学地震研究所)

15:43 〜 15:56

[U06-10] 太陽地球系結合過程の研究基盤形成

★招待講演

*津田 敏隆1 (1.京都大学生存圏研究所)

キーワード:太陽地球結合系、赤道MUレーダー、EISCAT-3D レーダー、広域観測ネットワーク

「太陽地球系結合過程」の研究目的は、地球に太陽エネルギーが流入する過程、ならびに、それに対する地球周辺環境の応答を解明することである。太陽から地球に与えられるエネルギーは、太陽光ならびにプラズマ粒子の流れである太陽風に大別される。太陽光は赤道で最大となるが、太陽放射により加熱された地表面が熱源となって大気擾乱を起こし、その擾乱が大気波動に姿を変えて伝わることでエネルギーが上方向に運ばれる。一方、太陽風に起因する電磁エネルギーは、地球磁場の磁力線を通じて北極と南極に集中する。極域でも擾乱が起こり、太陽エネルギーの一部は、下向きおよび低緯度方向に伝わる。本計画では、これら2つの特異点に大型大気レーダーを設置して拠点観測することを目指している。赤道域のなかでも、大気変動が最も強くなるインドネシアに、「赤道MUレーダー」を設置する。また、北欧に国際協力により「EISCAT_3Dレーダー」を建設する。国内に既設のMUレーダー、インドのMSTレーダー、南極・昭和基地のPANSYレーダー、さらに中国等で建設が進んでいる大型大気レーダーの観測ネットワークによる国際共同研究を推進する。また、小型計測機器により赤道から極域までをつなぐ広域観測ネットワークを構築して、エネルギーと物質のグローバルな流れを解明する。