日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[EE] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS05] Precipitation Extreme

2018年5月23日(水) 13:45 〜 15:15 106 (幕張メッセ国際会議場 1F)

コンビーナ:谷田貝 亜紀代(弘前大学大学院理工学研究科)、座長:安富 奈津子谷田貝 亜紀代

13:45 〜 14:05

[AAS05-01] 東アジアにおける台風降水量

★招待講演

*釜堀 弘隆1荒川 理2 (1.気象研究所、2.海洋研究開発機構)

キーワード:台風、降水量

APHRODITE格子点データを用いて、東アジア域における台風降水量を調べた。ここで、台風降水量は台風中心から8度以内の格子点で評価した。台風の位置情報としては気象庁のベストトラックデータを用い、1981-2007年の平均台風降水量を議論した。年台風降水量が最も大きいのは、台湾東部、ルソン島西部、および南西日本の3地域であり、500mm/年以上の値を示している。その他の地域ではこれら3地域に較べ、大きな値は示さない。多くの地域では、東側が海に面している場所で台風降水量が多く、西側が面している場所では少なくなっているが、ルソン島だけで例外で、西側で台風降水量が顕著に多い。3地域では、日降水量の年最大値が200mm/日を超える場所もあり、台風による大雨ポテンシャルが高いことを示している。年台風降水量の全降水量に対する寄与率も調べた。寄与率が最も大きいのは台湾東部およびルソン島西部の35%であり、次いで日本では20%となっている。これら3地域では台風による大雨ポテンシャルが特に大きいと同時に、台風が重要な水資源であることが分かった。