[AAS06-P04] GOSAT/TANSO−FTS及びMOPITTデータを用いたバイオマス燃焼起源のCO2及びCOの大気中濃度変動の解析
キーワード:バイオマス燃焼、GOSAT、二酸化炭素、MOPITT、一酸化炭素
本研究では、バイオマス燃焼の頻発地域のアフリカに着目し、衛星観測データを用いてバイオマス燃焼起源の一酸化炭素と二酸化炭素の濃度の関係性について調べた。衛星観測データとして、GOSAT (Greenhouse Gases Observing Satellite)に搭載されたTANSO-FTS (Thermal and Near-infrared Sensor for Carbon Observation Fourier Transform Spectrometer)センサの熱赤外 (thermal infrared; TIR)バンドから導出された二酸化炭素の鉛直濃度分布データ (Version 1)[Saitoh et al., 2016]と、MOPITTの近赤外 (near infrared; NIR)バンドとTIRバンドを組み合わせたマルチバンドから導出された一酸化炭素の鉛直濃度分布データ(Version 6) [Deeter et al., 2014]を使用した。
アフリカ上空の北緯10º付近においてバイオマス燃焼が頻発する時期 (12-2月頃) に、TANSO-FTSの上空200-300 hPaの二酸化炭素濃度が、NIES-TM05モデル計算に基づく先験値[Saeki et al., 2013]よりも約2 ppm高くなっていた。そこで、アフリカの北半球低緯度の上空200-300 hPaに着目し、MOPITTのTIR/NIRバンドの一酸化炭素データの月平均値と、濃度増加トレンドを除去した後のTANSO-FTSのTIRバンドの二酸化炭素データの月平均値の比較を行った。比較の結果、上空のTANSO-FTSデータの二酸化炭素濃度及びMOPITTデータの一酸化炭素濃度が高くなる時期は、ほぼ一致していた。TANSO-FTSの二酸化炭素及びMOPITTの一酸化炭素の濃度は1月から3月、2月から4月にかけて高くなっているが、濃度が最大となる時期はそれぞれの先験値データの濃度が最大となる時期と若干ずれていることがわかった。さらに衛星で観測された濃度の変動幅は先験値データの濃度の変動幅よりも大きいことがわかった。さらに、地表付近から対流圏上部の一酸化炭素データの時系列を詳細に調べると、一酸化炭素の濃度は下部対流圏では12-1月頃、上部対流圏では2-3月頃に他の月よりも明らかに高くなっていたのに対し、中部対流圏では顕著な増加傾向は見られなかった。さらに、後方流跡線解析を行って、衛星で観測された二酸化炭素及び一酸化炭素が高濃度となる空気塊の履歴を調べた。
アフリカ上空の北緯10º付近においてバイオマス燃焼が頻発する時期 (12-2月頃) に、TANSO-FTSの上空200-300 hPaの二酸化炭素濃度が、NIES-TM05モデル計算に基づく先験値[Saeki et al., 2013]よりも約2 ppm高くなっていた。そこで、アフリカの北半球低緯度の上空200-300 hPaに着目し、MOPITTのTIR/NIRバンドの一酸化炭素データの月平均値と、濃度増加トレンドを除去した後のTANSO-FTSのTIRバンドの二酸化炭素データの月平均値の比較を行った。比較の結果、上空のTANSO-FTSデータの二酸化炭素濃度及びMOPITTデータの一酸化炭素濃度が高くなる時期は、ほぼ一致していた。TANSO-FTSの二酸化炭素及びMOPITTの一酸化炭素の濃度は1月から3月、2月から4月にかけて高くなっているが、濃度が最大となる時期はそれぞれの先験値データの濃度が最大となる時期と若干ずれていることがわかった。さらに衛星で観測された濃度の変動幅は先験値データの濃度の変動幅よりも大きいことがわかった。さらに、地表付近から対流圏上部の一酸化炭素データの時系列を詳細に調べると、一酸化炭素の濃度は下部対流圏では12-1月頃、上部対流圏では2-3月頃に他の月よりも明らかに高くなっていたのに対し、中部対流圏では顕著な増加傾向は見られなかった。さらに、後方流跡線解析を行って、衛星で観測された二酸化炭素及び一酸化炭素が高濃度となる空気塊の履歴を調べた。