日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CC 雪氷学・寒冷環境

[A-CC28] 雪氷学

2018年5月23日(水) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:縫村 崇行(千葉科学大学)、石川 守(北海道大学)、舘山 一孝(国立大学法人 北見工業大学、共同)、永井 裕人(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)

[ACC28-P01] 地中レーダー(GPR)を用いた氷河前面のデブリ地形内部に発達する空洞検出

*森 義孝1奈良間 千之2ダイウロフ ミルラン1高玉 秀之1 (1.新潟大学大学院自然科学研究科環境科学専攻、2.新潟大学理学部理学科フィールド科学人材育成プログラム)

キーワード:地中レーダー、デブリ地形、氷河湖、アイストンネル

天山山脈北部地域(キルギス共和国領)では,短命氷河湖と呼ばれる,わずか数ヶ月から 1 年の間に出現・出水して,下流域に洪水災害を引き起こすタイプの氷河湖がある.2008 年には,テスケイ山脈の西ズンダン氷河湖が2ヶ月半で拡大し,出水による洪水で3名の犠牲者が出た(Narama et al., 2010).短命氷河湖の出現と出水は氷河湖前面の埋没氷を含むデブリ地形内部に発達するアイストンネルの開閉によると考えられている.それはトンネル内部の水が冬季に凍結してトンネルを閉鎖し,春季の融氷水が凹地に貯水することで突然出現する.そして,夏季のアイストンネルの開放時に突然かつ急激に出水が生じる.しかし,この出水に関わるアイストンネルの発達過程,位置,規模,閉鎖・開放の実態は明らかでない.本研究では,アイストンネルの位置や規模などを含めた地下構造を把握するため,地中レーダー探査(GPR : ground penetrating radar)を使用し,デブリ氷河内部に発達する空洞の反射特性の検討をおこなった.また,検討結果から2015年に出水したカラ・クンゴイ氷河前面のデブリ地形において空洞の位置と規模の推定した.