日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気水圏科学複合領域・一般

[A-CG41] 植物プランクトン増殖に関わる海洋-大気間の生物地球化学

2018年5月22日(火) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:宮崎 雄三(北海道大学低温科学研究所)、西岡 純(北海道大学低温科学研究所)、鈴木 光次(北海道大学、共同)、岩本 洋子(広島大学 生物圏科学研究科)

[ACG41-P04] Oxygenated Compounds in the Tropical Atmosphere-Variability and Exchanges (OCTAVE):熱帯海洋大気における含酸素有機化合物・ハロゲン類・エアロゾルの総合観測プロジェクト

*宮崎 雄三1Volkamer Rainer2Brioude Jerome 3Rissanen Matti 4OCTAVE Science Team (1.北海道大学低温科学研究所、2.コロラド大学ボルダー校、3.レユニオン大学、4.ヘルシンキ大学)

キーワード:海洋大気エアロゾル、含酸素揮発性有機化合物、熱帯海洋大気、ハロゲン化学

含酸素揮発性有機化合物(Oxygenated Volatile Organic Compounds; OVOCs)は大気の酸化能力や気候に重要な影響を及ぼすことが知られている。OVOCsの中には海洋大気中に多く存在する化合物があり、海洋大気境界層における二次有機エアロゾル(SOA)生成の鍵となる前駆物質としても働く。海洋表層で生成されたエアロゾルは雲粒や氷晶核の生成等を通して領域的な放射収支や生物地球化学的な物質循環に影響を与える。さらに大気中でのOVOCsやエアロゾルの反応には、熱帯海洋域からの放出が重要なハロゲンの反応も深く関与している。しかしながら、現状の大気モデルは特に熱帯海洋域において OVOCsやSOA の収支を過小評価する傾向にある。これは主に熱帯海洋域におけるOVOCs/エアロゾル/ハロゲン類の観測が極めて少ないことに起因している。
熱帯海洋表層から放出される大気成分の中でも鍵となるOVOCs・エアロゾルの全球収支を正しく見積もり、大気諸反応における役割を理解するため、国際共同フィールド観測をインド洋上・レユニオン島のMaïdo 観測所 (海抜高度2,200m) で行うことが計画されている。観測プロジェクトは2018年3月–6月に計画されており、高時間分解能現場観測・オフライン観測、人工衛星観測、上記の大気化学に関わるモデル計算を統合した研究計画である。観測期間中のエアロゾル観測は、海洋大気境界層・自由対流圏の各条件下での時間変動等からサブミクロン粒子への海洋微生物起源の寄与を評価し、その変動要因を明らかにすることを目的としている。発表では、プロジェクトの詳細な研究計画を紹介する。