日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[EE] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-GE 地質環境・土壌環境

[A-GE30] エネルギ・環境・水ネクサスと持続的発展

2018年5月21日(月) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:張 銘(産業技術総合研究所地質調査総合センター地圏資源環境研究部門)、川本 健(埼玉大学大学院理工学研究科)、薛 強(中国科学院武漢岩土力学研究所、共同)、Jet-Chau Wen(National Yunlin University)

[AGE30-P13] 使用済マグネシウム系ヒ素吸着材の環境安定性に及ぼす土壌の影響

*杉田 創1張 銘1小熊 輝美1原 淳子1高橋 伸也2 (1.国立研究開発法人 産業技術総合研究所、2.シンエネルギー開発株式会社)

キーワード:ヒ素溶出、使用済吸着材、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム

マグネシウム系化合物(MgO、Mg(OH)2、MgCO3)がヒ素汚染水を浄化するための吸着材として期待されている。しかしながら、使用済ヒ素吸着材は大量のヒ素を含んでいる。使用済吸着材が適切な処理なしで環境中に廃棄された場合、使用済み吸着材から溶出したヒ素によって二次汚染が引き起こされる可能性がある。それゆえ、使用済吸着材の環境安定性を評価することは重要である。
本研究では、最初に、多量のヒ素を吸着させたマグネシウム化合物を調製した。そして使用済吸着材は土とpH調整済みのイオン交換水と一緒に試験管に入れられた。その試験管は恒温振とう器内において室温で24時間の間振とうさせられた。ろ過回収された溶出液中のヒ素、マグネシウム、その他の主要元素はICP-MSあるいはICP-AESで定量分析された。本実験結果から、MgO及びMg(OH)2は試験したすべての土壌中で非常に高い環境安定性を持つことが示された。一方、 使用済MgCO3吸着材は砂質土壌中で容易にヒ素を溶出することがわかった。